性自認ってなに?
「性自認」とは、自分の性を認識することを言いますが、みなさんは自分がいつオトコノコ・オンナノコであることに気づいたか覚えていますか?中には、大人になった今でも性自認が曖昧な方もいるでしょう。
女の子がズボンを穿くなんて恥ずかしい!
わたしの場合、ハッキリとは覚えていないものの、幼稚園に通っていた頃はとにかくズボンを穿くのがイヤだったんです。ズボンはオトコノコが穿くもので、オンナノコである自分が穿くものではない。ズボンを穿くなんて恥ずかしい……と幼心に思っていました。おそらく3〜4歳頃のことです。
どんなに寒くても、どんなに雪が降っていても、風邪で鼻水がタラタラ流れていても、それでもなおスカートを履いて幼稚園に行きたがっていたのを記憶しています。当然、親は寒い日・雪の日・鼻水タラタラの日は嫌がるわたしにむりやりズボンを履かせて登園させていましたが。
子どもは3歳で自分の性別を認識する
保育・教育研究家で、幼児の性自認に関する著書も執筆している大滝世津子さんがかつて行った研究では、子どもは3歳頃には性自認をしていることがわかったそうです。実際、性的発達のプロセスにおいては、3歳までにジェンダー意識が固定化されると言われています(*1)。
確かに、わたしの息子(長男)が2歳だった頃は、まだ自分の性別をハッキリと認識していないように見受けられました。それでもなお、別記事でもお話ししたように、自分にはおちんちんがあって、ママにはおちんちんがないことなど、男女の生物学的な体の違いは認識していたようです。
2歳ですでに「性」の世界に触れ始めている息子を目の当たりにし、性教育は早々に始めるべきだとますます強く感じてなりません。
性教育はカジュアルな内容から始めよう!
少し話は逸れますが、冒頭で触れたようにすべての人が自分の性をオトコノコ・オンナノコの範囲内で認識するわけでなく、“どちらでもない”、“中性”といった形で性自認する人たちも多くなってきているこの社会。性別による体の違いはもちろん、心の性別についても教えていかなければならないと感じています。
体の性にしろ、心の性にしろ、性の話を切り出すタイミングってなかなか難しいもの。たとえば、子どもが小学生や中学生くらいであれば、性自認にはさまざまな形がある、といったことを皮切りに性の話を始めてもいいかもしれません。
そろそろ「性教育は子どもがもう少し大きくなってから……」といった考えに終止符を打ち、ぜひ話しやすい内容から始めてみてはいかがでしょうか。子どもたちは意外と早く“性”と出会っているのですから。
(*1) 浅井春夫「性のおはなしQ&A 幼児・児童に伝えたい30のこと」(エイデル研究所、2020)P14