【助産師に教わる性教育①】「性教育は恥ずかい」!?わが子に伝えたくなる命のはなし〜幼児期から思春期まで

家族・人間関係

2021.04.29 更新

わが子の年齢が思春期に近づくにつれて、ますます気になる「性教育」。「学校ではどこまで習ってくるんだろう」「大事なことだけど、恥ずかしくて自分ではとても教えられない…」なんてモヤモヤしている方も多いのでは?  そこで、小・中学校や高校で「性」や「命」の授業をしている助産師の直井亜紀さんに、編集部がインタビュー。意外にも「自分にもできそう!」「簡単そう!」と思った「性」の伝え方を、3回にわたってお届けします。1回目の今回は、「家庭だからこそできる性教育」がテーマです。

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妊娠したら「いのちは素晴らしい」のに、妊娠する過程は「恥ずかしい」?

「性教育」と聞くと「言いにくい」「恥ずかしい」と思っていませんか?
『わが子に伝えたいお母さんのための性教育入門』P177より

ーー「性教育」ってとても大事だと思うのですが、子どもには話しにくいというか、どう伝えたらいいかわからなくて。

直井先生:たいていの方がそう言われますね。「子どもに性教育をしましょう」と言われると、尻込みしてしまう方が多いようです。では、逆にお尋ねさせてください。性教育と聞くと、具体的にどんな内容をイメージしますか?

ーー性行為とか、避妊…のことでしょうか。

直井先生:なるほど。保護者さんや学校の先生に聞いても、いろんな答えが返ってくるんですよ。でももしこれが、国語や算数だったらどうでしょうか。国語と言えば書き取りや読解力とか、算数といえば計算とか暗記とか。一般的な科目であれば具体的な内容をイメージしやすいのですが、「性教育」となるとそうはいかないんです。

ーー確かにそうですね。

直井先生:例えば、「生理」や「射精」、「妊娠出産」「性感染症」「避妊法」それに「LGBT」も性教育です。ですから「性教育をしましょう」と言っても、すべての人が同じ内容をイメージしているとは限りません。
その人自身が小中学校のときに受けた性教育のイメージから性教育の概念を持っていることが多いようです。ただひとつ言えるとしたら、大多数の親は「性教育は生々しい」「性教育は恥ずかしい」と思い込んでいるということ。そのため「家庭で性教育を伝えましょう」と言われると、「え〜っ」となってしまう。

ーー確かに、私が育った家庭も性に関する話はタブーというか、話せる雰囲気ではなかったです。気づかないうちに、自分も刷り込みを受けていたわけですね。

直井先生:わたしたちは、タブーな恥ずかしい行為で妊娠した……わけではないですよね。
妊娠やいのちの誕生は、喜びや幸せの中で迎えているはずです。妊娠したら「いのちは素晴らしい」と考えるのに、妊娠するまでの過程は「恥ずかしいこと」とわたしたち親世代には刷り込まれているように思います。わたしは、いのちを授かることや性行為にネガティブな刷り込みをしたくないと考えているんです。

ーー「性教育」とは「いのち」についての教育ということでしょうか。

直井先生:性教育と聞くと、「性交教育」と考えている人が多いのではないでしょうか。でも、性教育とは、「性の健康教育」であり、「人権教育」さらには「ライフスキル教育」です。そう考えると伝えやすいと思いませんか?

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