子育て世帯の8割は性教育を行っていない!
子育て情報メディア「KIDSNA(キズナ)」を運営する株式会社ネクストビートが行ったアンケート調査によれば、子育て世帯の約8割が家庭での性教育を実施していないことがわかりました。
家庭での性教育を実施している子育て世帯はたったの2割。性教育は幼児期から始めるべき! と主張しているわたしにとってはとても衝撃的な結果ではありますが、どこか心の中で「やはりそんなものか……」と思ったことも事実です。
性教育と人工妊娠中絶
みなさんは、年間どのくらいの中・高校生の女の子が人工中絶を行っているかご存じでしょうか。厚生労働省による人工妊娠中絶件数の調査結果になりますが、15歳未満〜18歳で年間7,000件を超えています(令和元年度)。
「膣外射精は避妊方法の1つ」と誤って認識している10代の子どもたちは多く、正しい避妊方法を知らずに性交を重ねれば望まぬ妊娠の確率が高くなってしまうのは当然でしょう。わたしは、人工妊娠中絶件数の数字こそが家庭での性教育を実施していないことを表しているのではないか、と感じてしまうのです。
いつまでたっても“特別扱い”される性
性教育は行うべきだけど、家庭内で性を話題にするなんて……
そう思うお父さん・お母さんも多いかもしれません。ですが、よく考えてみてください。性ってそんなに話題にしにくいものなのでしょうか。家庭での性教育実施率が2割程度に留まっている理由。それは「大人たちは性を特別扱いし過ぎている」から。これに尽きるのではないかと、わたしは考えています。
子どもは幼児期に自身の体に興味を示すものです。わたしの息子が2歳の頃は、ニコニコしながら自分のおちんちんを引っ張って、それはそれは楽しそうに遊んでいました。1歳や2歳頃からマスタベーションをする子も珍しくありません。
わたしたちは皆、物心つく以前から性の世界にどっぷり浸かっているのです。そう。性とは、澄ました顔して当たり前のようにそこに存在しているもの。
性が“当たり前”のものになる社会へ
2018年に足立区の中学校で行われた性教育が物議を醸し、「性交や避妊という言葉を使うなんて不適切」と、都議会で激しい批判を受けた出来事は今もなお記憶に強く残っていますが、実は、都議会のみならず、この性教育の授業に参加していた父兄からも疑問を持つ声が上がっていたと言います。
いい加減、性を特別扱いするのは止めませんか?当たり前にこの世に存在する性から子どもたちを遠ざけるなんてナンセンスです。セックスの話も含め、大人たちが積極的に性を説く社会になれば、きっと望まぬ妊娠も減ることでしょう。性の特別扱いを止めれば、きっと社会はより明るくなるはずです。