教えてくれた人……虫ケア用品最大手のアース製薬さん
「地球を、キモチいい家に。」をスローガンに、お客様により快適な生活空間をお届けする商品を開発・販売する総合日用品メーカー。創業から100年以上の歴史を持つ老舗企業だが、常に時代の変化・お客様のニーズを汲み取り、虫ケア用品を中心に独創的な商品作りで業績を伸ばす。
近年は、「感染症トータルケアカンパニー」を目指し、虫媒介感染症の撲滅に向けて積極的な展開を進めている。
実は「コバエ」という種類のハエは存在しなかった…!
――暑い時期になると、飛び回るコバエに悩まされます。コバエはハエの子どもなのでしょうか?
「コバエ」という種類のハエは存在せず、ハエの子どもでもありません。「コバエ」は体長が1~5mmの小さなハエを総称して呼んでいます。コバエの種類によって発生場所は異なります。
料理をするキッチンや食事をするダイニングで遭遇するコバエは、主に食品が発生源となる「ショウジョウバエ類」と「ノミバエ類」の2つが代表種です。
浴室や洗面所、トイレなど水回りが発生源となるのは、「オオチョウバエ類」という種類のコバエです。
リビングで遭遇しやすいのは「クロバネキノコバエ類」という種類のコバエです。
――場所によって発生するコバエの種類が異なるのですね。それぞれのコバエの特徴を教えてください。
「ショウジョウバエ類」の体長は約2~4mm、体色は黄赤色から黒色までさまざまですが、眼は赤色です。主な生息場所はキッチンまわり、生ごみなど。英名は「fruit fly(果物のハエ)」で、名前の通り果物も大好きでよく寄ってきます。
「ノミバエ類」の体長は約1~5mm、体色は黒褐色~黒色で、腐った食物やゴミを好むため、主な生息場所はキッチンまわり、生ごみ、ゴミ箱付近でよく見かけます。足が発達し、飛ぶというよりは俊敏に動き回ります。
「オオチョウバエ類」の体長は約5mm、体色は褐色~黒色、主な生息場所は浴室、洗面所、トイレなどの水回り。夜行性のため日中はあまり活動せず家の中のジメジメした薄暗い場所にいます。
「クロバネキノコバエ類」の体長は約2~4mm、体色は灰黒色、主な生息場所は観葉植物、腐葉土。幼虫は、腐葉土などの有機物を含んだ湿った土の中にいて、腐植物やキノコ類を食べて育ちます。
ゴミを放置するのは厳禁!コバエを防ぐ対策は
――これらのコバエが家に入ってこないための対策を教えてください。
コバエは小さいために網戸をすり抜けたり、わずかな隙間から室内に侵入してきたりします。まずコバエが発生しやすい環境をつくらないことです。そのためには清潔にする必要があり、生ゴミを捨てる、掃除をこまめにするなど、コバエの発生源をできるだけ作らないことが重要です。
ゴミ箱は蓋つきのものを使用し、三角コーナーやシンクの生ゴミは放置せずすぐに始末します。食べ残しの食品や飲み残しの飲料を放置せず、飲んだ後の容器はきちんと水ですすぐ、食べ残しの食品はすぐに冷蔵庫や密閉容器などに入れてください。
バスルームや洗面所、トイレなどの水回りは、掃除と換気に注意します。特に排水溝は、ヌメリやヘドロが残らないように掃除をこまめにしましょう。
クロバネキノコバエ類が発生している場合、観葉植物の土の表面を入れ替えることや、水をやり過ぎないことも重要です。
小さくて外からの侵入をなかなかふせぐことができないコバエを予防したい場合は、虫ケア用品の使用をオススメします。
今いるコバエを素早く駆除したいなら1プッシュするだけで部屋中のコバエを速攻駆除できるスプレー剤がおすすめです。キッチンなどでは薬剤が食品などにかかる心配がない誘因捕獲タイプの駆除剤を設置したり、天然由来成分のコバエを寄せ付けないスプレー剤で対策したりしてください。
部屋の中で飛び回る不快なコバエは、食べ残しやゴミなどをすぐにキレイにすることを心がけて、しっかり予防したいですね!
取材協力:アース製薬