もう「ニット」は縮まない。ニットの正しい洗い方【知って得する洗濯術】

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 もう「ニット」は縮まない。ニットの正しい洗い方【知って得する洗濯術】

2023.11.07

4児の母で洗濯研究家の平島 利恵です。秋冬服の定番といえばニットですよね。ご自宅で洗えるニットも増えていますが、ニットはデリケートな素材なので、洗濯を間違えると、伸びたり縮んんだり、毛玉ができてしまうことも。ニットの型崩れを防ぎ、風合いを保つホームクリーニングを簡単に解説します。

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これで失敗なし!ニットの洗濯の基本

必ず洗濯表示をチェック

このマークがあるものは、クリーニング店に相談します

このマークがある衣類は、ご自宅では洗えません。クリーニング店で相談しましょう。

普段着とは分けて洗う

ニットはデリケートな素材です。洗濯の際は、普段着・下着・タオルとは分けて、おしゃれ着として洗濯します。

線は洗濯の水流の強さを表しています

桶マークの中の数字は、洗濯の際の水温の上限を、桶マークの下は水流の強さを表しています。線が多いものの方がデリケートな衣類です。
線が2本あるものは、手洗いがおすすめ。洗濯機で洗う場合は、ネットに入れ、「デリケートコース」などで優しく洗います。

ニットの手洗い方法

デリケートなものや高価なニットは、手洗いが安心です。今回は、ニットの風合いを保つスペシャルな手洗い方法を紹介します。

■手順

1.水を溜め、柔軟剤を少量入れます
2.畳んだ状態のニットを柔軟剤入りの水に入れ、浸します
3.おしゃれ着用洗剤を入れ、押し洗いします優しく押し洗いします

4.水を入れ替え、しっかりすすぎます
5.泡が出なくなったら、柔軟剤を入れニットを浸します
6.ニットをタオルに包み、優しく脱水しますタオルに包んで優しく水分を移しとります

7.風通しの良い日陰で、平干しします専用ネットの使用がおすすめ!専用ネットの使用がおすすめ!

※洗いの水にも少量の柔軟剤を入れることで、繊維の風合いを保ちます。
※素材によってはお湯を使うと縮むため、30℃ほどの水を使って洗う方が安心です。

縮むニットと伸びるニットは何が違う?

ニット出典:stock.adobe.com

縮む原因は洗い方!

ウールは羊、カシミヤは山羊の毛からできており、人間の髪の毛と同じように水につけると膨潤し、繊維の表面のスケール(キューティクルのようなもの)が開きます。その時に、もみ洗いしたり、洗濯機の強い水流で洗ったりすると、繊維同士が絡み合って縮み、フェルト化してしまいます。

フェルト化してしまった繊維は元に戻すことができません

これは、汗をかいた時にも起こるため、脇の下など汗をかきやすく擦れやすい場所は注意が必要です。下着を着用し、汗を吸い取るようにしましょう。

また毛はタンパク質のため、熱いお湯で洗うと繊維が変質し、縮んでしまいます
ウールの衣類を洗う際は、30℃ほどのぬるま湯で、中性洗剤(おしゃれ着洗剤)を使って、優しく押し洗いをします。洗濯機で洗うときは、畳んでネットに入れ、おしゃれ着コースやデリケートコースで洗いましょう。

伸びる原因は干し方!

アクリル素材のニットは、強く引っ張ると伸びやすい特徴があります。そのため、干す際はつり干しではなく、平干しするようにしましょう。

袖が伸びないよう、注意しましょう

万一干し間違えて伸びてしまった時は、もう一度洗い直し、平干しをすることである程度は元に戻ります。
また、アクリル素材は熱にも弱いため、お湯を使った洗濯・乾燥機の使用・アイロンの使用も控えましょう。

洗えるニットが縮まない理由

洗えるニットも洗濯表示を必ずチェック!出典:www.photo-ac.com

最近は、ウォッシャブルニットも多く見かけますよね。これらは、水に濡れても縮まぬよう「防縮加工」を繊維に施しています。繊維をコーティングしたり、繊維の表面にあるウロコ状の端を切り落とすことで、絡み合いを防いでいます。
「ウォッシャブル」といっても、洗濯表示をよく見ると、『手洗い』のものも多くあります。手洗い表示があっても、最近の洗濯機は洗えるコースがあるので、取扱説明書で確認しておくのがおすすめです。

優しく洗って、キレイに着よう!

下着などと比べ、身体に触れる面の少ないニットは、着用のたびに洗わなくても問題ありません。
洗濯を重ねるごとに、どうしても少しずつ傷んでしまうため、以下の5点に注意しましょう。

  • おしゃれ着だけで洗う
  • 中性洗剤を使用する
  • 洗濯ネットに入れる
  • 柔軟剤で繊維をケアする
  • 平干しする

お気に入りをたくさん気持ちよく着て、秋冬のおしゃれを楽しみましょう。

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著者

平島利恵プロフィール

平島利恵

大学卒業後、株式会社リクルートに入社。じゃらんのEC事業に携わり、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC 事業を展開。2013~2015 年NY 在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗剤の着想を得て帰国。株式会社 Heulie 設立。洗濯洗剤と布ナプキンブランド”Rinenna”を展開。洗濯研究家として、「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。

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