教えてくれたのは……総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームエキスパート。
家電全般、住宅設備、パソコン、車などの延長保証の修理精査業務に携わっている。
多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持。
スマホやPCのバッテリーの寿命を短くするNG行為
「バッテリーの寿命は、使い方次第で変わることもあります」と話すのは、総合家電エンジニアの本多宏行さん。“3つのNG行為”をおこなうと、バッテリーの持ちが悪くなる可能性があるのだそうです。
本多さん「充電式バッテリーには、繰り返しの継ぎ足し充電によって発生する『メモリー効果』という現象があります。たとえば、バッテリーの残量が60%のところで継ぎ足し充電が繰り返されると、充電100%の状態から60%まで減少するタイミングで急激に電圧が低がり、バッテリーの残量が急速に減ってしまうのです。このメモリー効果は、ニカド電池やニッケル水素電池に多く生じる不具合です。
最近のスマートフォンなどには、このメモリー効果が発生しづらいリチウムイオン電池が多く使われているため、継ぎ足し充電を気にしなくてもよくなりました。しかし、以下の3つはバッテリーの寿命を短くする可能性も考えられるため、注意が必要です。
1.過充電や過放電を繰り返す。
2.高温や低温の状況下で使用する。
3.満充電や残量無しの状態で長期保管する。
長期保管の際には、残量60%の状態を目安に保管するとよいと思います」
フル充電の状態になっても充電し続ける習慣があったり、真夏の炎天下で長時間使ったりすることはバッテリーの寿命に関係してくるとのこと。長く使うためには、充電の仕方や使用状況を意識しておくとよいのですね!
「バッテリー交換」と「本体の買い替え」どちらを選ぶのが正解?
バッテリーが劣化してしまったときに、「バッテリーを交換するべきか」「本体を買い替えるほうがよいのか」迷うこともありますよね。どちらを選ぶとよいのでしょうか?
本多さん「バッテリーの性能低下の原因がバッテリー自体だけにある場合は、新しいバッテリーへ交換することで解消します。その際は、正規アフターサービス会社で行うのがおすすめです。非正規のアフターサービス業者でスマートフォンなどの本体が分解された場合、バッテリー交換後に発生した不具合を受付けてもらえなくなる可能性が大きいためです。
また、バッテリーを交換しても、本体機器自体が古いために最新のオペレーティングシステムに更新できないなどの問題を抱えている場合もあります。その際は、本体を買い替えることをおすすめします」
昔使っていたiPhoneの再利用はセキュリティ面で不安なことも
使わなくなった古いiphoneを子どもに譲り、再利用したいと思っている方もいるかもしれません。しかし、再利用するときには注意すべきことがあるのだと、本多さんはおっしゃいます。
本多さん「前述のとおり、古いバッテリーの場合は性能低下が生じている可能性があります。さらに、本体機器が古いことで、最新のオペレーティングシステムに更新できないなどの問題が生じることもあるのです。
後者の問題は深刻であり、セキュリティ面において危険性が高まるだろうと思います。お子様が使う場合には、なおのこと強固なセキュリティを確保するべきでしょう」
スマートフォンやPCをより快適に、そして安全に使うために、本多さんに教えていただいたポイントを押さえておきましょう!