「勉強しなさい」と言う側もうんざり
毎日毎日、「勉強しなさい」と言うものの、子どもの様子は全然変わらず。言ってる方も言われる方もイライラしてしまうことも。
これからも言い続けたほうがいいのか、いっそ諦めたほうがいいのか。親側ができる工夫や考え方をみていきます。
「勉強しなさい」と言い続けるのに疲れたとき、見直したいこと
答えを引き出す質問をする
親としては、食事、入浴、就寝時間を逆算し、「今宿題やっておきなさい」と声をかける方も多いでしょう。
また、テスト前の期間に遊んでいる姿を見ると「大丈夫なの?勉強ちゃんとしなさい」と言いたくなりますよね。
言われないとやらない子もたしかにいますが、「言われるとやりたくなくなる子」も多いんです。「~しなさい」や「ちゃんとやってるの?」と言われると、「うん」「わかってる」などの返事で終わってしまいます。そうすると、怒る側ー怒られる側の役回りが根づいてしまい、子どもの自主性が育ちにくくなります。
少し見守り「何時からできそう?」「今回の範囲難しい?」など、答えを引き出す質問も役に立ちます。
「あと30分したらやる」「そうなんだよね、数学が難しくて……」と子どもが考えて言葉にできると、自主性が刺激されたり勉強に関する会話がしやすくなったりします。
子どもへの理解を深める
親から見るとなぜ子どもが勉強しないのかわからず、「この先大丈夫かな?」と不安になったり、イライラしてくる方は多いです。
これまで勉強を頑張ってきた、さぼらず宿題をこなしてきた子の親御さんは特に、どれだけ言っても勉強する素振りのない子に対する理解が難しくなります。
そのようなときは一度パートナーや親、周囲の人と話し合ってみるのがおすすめ。
今は真面目な大人に見えていても、子どもの頃は最低限の宿題しかこなさない、宿題の手抜きをするなど、真面目に取り組んでいなかった方も多いよう。
パートナーの幼少期を聞くと、目の前にいるわが子と重なるところが見つかるかもしれません。
夫婦それぞれの考え方(楽観的ー心配性、短期的なメリットを考えやすいー長期的なメリットを考えやすいなど)を改めて整理し、子どもへの理解を深めていけるとよいでしょう。
机上の勉強以外にも目を向けてみる。
何を言っても功を奏さないときは、机上の勉強以外の学びにも目を向けてみるのがおすすめです。
- 博物館や工場見学など、子どもが興味をもてそうなところに足を運ぶ。
- 生き物の観察や日常の不思議など、身近なものとの繋がりから考える。
- 教育系YouTubeなど、親しみやすいものを教材としてみる。
計算ドリルや漢字の反復練習、苦手な文章題など、机上の学習を続けていると気が滅入ってくる子も多いです。外に出て身近なものから学んだり、面白いと思える発見をしていけるといいですよね。
視野を広げて考えてみる
オランダのある小学校では、宿題の量や明確な提出期限が定められず、ざっくりと「地球温暖化について」「オリンピックについて」などのテーマで課題を出されるそう。
1か月ほど経過したころに、そろそろ発表してもらおうかなと目安を言われ、子どもたちが準備していくといいます。発表の形態も着眼点も自由であり、子ども一人ひとりの個性がでるそう。
もちろん中にはやる気をもって取り組む子とやっつけで終わらせるような子の差はあるものの、周囲の大人の声掛けによって興味を見つけていく子が多いといいます。
もちろんこれは一例であり、どこの国や地域でも通用するものではないですし、それがよいとも限りません。日本に住んでいるのだから関係ないと無視するのもひとつでしょう。
ただ、日本の今所属している学校がおこなっている教育も、「学習の一形態」に過ぎないというのも事実です。まずは子どもが興味を持てるものから、「知る楽しさ」を味わっていけるといいですよね。