親のため息は子どもにも伝わっている
物価の上昇や兄弟の進学費用、老後資金など、お金に関する悩みは尽きませんよね。
潤沢に資金がある家庭よりも、各々の家庭でなんとかやりくりをして、日々の生活を回している方が多いことと思われます。スーパーでの買い物や家計簿の管理をしているとき、子どもが持ってきた配布資料を見たときにため息が漏れ出るときもあるでしょう。
そんな親の悩みや口癖をなんとなく聞き流せる子もいれば、真に受け止めすぎる子もいます。
親の「お金がない」は子どもにどんな影響を与えるのでしょうか。
親の「お金がない」が子どもに与える影響
学習費用や習い事に必要なものを遠慮する
遊びに使うお金やゲームの課金など、子どもにとって優先順位の高いものは「僕も我慢しないといけないな」とはなりにくいです。
一方、親から「成績が下がってきたから塾に行く?」と聞かれたときや、靴のサイズが少し小さくなってきたときなど。学習の機会や日常用品については「行かなくても大丈夫」「まだ使えるから」と遠慮しやすくなります。
子どもからそう言われたとき、「勉強が嫌なんだ」「これがお気に入りなんだ」と子どもに理由を見いだすのでなく、親が子どもに与えている影響にも目を向けられるといいでしょう。
子どもにとって優先順位が低いものから、親に対する遠慮が始まるんですね。
似た環境の友達をうらやましく感じる
自分の家より圧倒的に裕福な家庭に対しては、子どもなりにも「あの家はお金持ちだからうちと違う」と諦めがつくもの。
一方、実際の経済状況は似ているにも関わらず、「うちにはお金がない」と言われ続けると「親の関わり方」に友人との差を感じてきます。
なぜ似たような家に住んでいて、同じ学校に通っているのに、「うちにはお金がない」と言われ、あの子が持っているゲームを買ってもらえないんだろう。あの子の親だったら、自分はもっと幸せだっただろうな。
裕福そのものを羨ましがるのではなく、「親が自分にかけてくれるお金」が「子どもに対する親の想い」だと感じて、嫉妬や劣等感を抱くようになるんですね。
「勉強に関する本やスポーツに投資していきたい」
「我が家の方針としては物より経験にお金をかけていきたい」
など、家庭の方針を子どもに伝えていけると、他の家との違いにも納得しやすくなるでしょう。
お金に対する感覚が極端になる
お金に関する適切な知識を身に着けたり、年齢に合わせた教育をしていくのは大切。
しかし、日々「お金がない」「うちは余裕がないから」とネガティブな感覚に触れていくとお金に対する執着心やこだわりが根付いていきます。
短絡的にお金を得る方法に目がくらむ、適切な使い方がわからない、金銭感覚が極端になるなどの問題が生じやすくなるんですね。
今は、親の目が届かないところで、金銭トラブルに巻き込まれる子も増えています。
子どもが生きていくうえで、お金は切っては切り離せないもの。家庭内でお金の話をタブーにするのはおすすめできません。
家計に合った、子どもの年齢に合ったお金の使い方を身に着けていくことが必要です。生活に密接にかかわるお金との付き合い方をしっかり話し合っていけるといいですよね。