教えてくれたのは……菅原洋平さん
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に行うベスリクリニック(東京都千代田区)で、薬に頼らない睡眠外来を担当するかたわら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。
『「めんどくさい」が消える脳の使い方』
著者:菅原 洋平
価格:1,650円(税込)
発行:ディスカヴァ―・トゥエンティワン
「めんどくさい」と思うのは、やる気の問題ではなかった
やらなければいけないことがあると分かっているのに、なんとなく気が乗らないことはありませんか?
「やる気がないからだ」「自分はめんどくさがりだから」と自分を責めてしまう方もいるかもしれませんが、実はやる気の問題ではなく、行動を変えられるコツがつかめていないからなのだとか。
菅原さんは、このコツを身につけられるようになると、テキパキ行動できるようになるのだと言います。
「体温を意識」すれば、テキパキ行動できるようになる
意外なコツとは、「夕方の体温を上げる」こと。何事もめんどくさいと感じてしまうのは、行動する体の温度が低いことが理由なのだそうです。ここでの体温とは、体の内部の温度である深部体温のことで、日常的に計測する表面体温よりも1度高いとされています。
深部体温は、起床時間の11時間後に最高に、起床時間の22時間後には最低になるなど、1日のうちで変動するリズムがあります。深部体温が高いときほど、体のパフォーマンスが高くなると考えられているため、このリズムを利用することが「めんどくさい」を消去するポイントになるようですよ。
深部体温のリズムを整える
多くの人は夕方から夜の早い時間帯に深部体温が最高になるので、この時間帯に活動しないと深部体温が上がらないということに。特に、眠ってしまうと深部体温は下がってしまいます。
最高温度時の深部体温が低いままだと、夜に向かって下がるはずの深部体温が下がらず、翌朝の深部体温も上がらなくなります。すると、「夜になっても眠くならない」→「眠ったのに疲れがとれない」→「朝目覚めても元気がない」といったリズムができあがってしまうのだそうです。
夕方に「1分間」の習慣を取り入れて「めんどくさい」を消去
そこで取り入れるとよいのが、菅原さんおすすめの「1分間スクワット」。
普段の起床時間の11時間後、その前後1時間のタイミング(多少ずれてもOK)で、スクワットを10回行うだけの簡単な方法です。4秒かけて1回行い、2秒休むと1回で6秒になるので、それを10回行えば1分になります。お尻をぐっとしめながら行うと効果的。
これを週に4回以上行うことで、3週間程度で自然に夕方には深部体温が上がるそうですよ!
体を温める活動を夕方に取り入れよう
深部体温が最も高くなる時間帯に体を動かす用事をつくり、居眠りや座りっぱなしになることを防ぐことが大切とのこと。深部体温は体を動かすだけで上がるので、夕方に上記の「1分間スクワット」を習慣にしてみてはいかがでしょうか。また、入浴をしたり、温かいものを摂取したりすることも意識するとよいそうです。
「めんどくさい」という感情を減らしてテキパキ動けるようになるために、体を温める活動をぜひ夕方に取り入れてみてくださいね。