受験期に要注意!子どもに声をかけるときに注意が必要な「2つの言葉」

家族・人間関係

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2025.01.22

もうすぐ受験シーズン。受験を控えている子どもがいる家庭では、子どもへの接し方に悩むことも多いかもしれません。学習塾事業を展開する株式会社ウィザスの樋浦さんによると、一見ポジティブに聞こえる言葉も使い方に注意が必要なのだそうです。詳しく教えていただきました。

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教えてくれたのは……株式会社ウィザス 樋浦さん

高校大学事業、学習塾事業、グローバル事業、能力開発・キャリア支援事業を展開。第一ゼミナール・第一学院を運営している。“社会で活躍できる人づくり”を実現できる最高の教育機関をめざすというコーポレートビジョンを掲げている。

子どもがつらい気持ちを抱えているときのサインとは

受験生とのコミュニケーションは、ときにセンシティブになりやすいもの。親として、子どものちょっとした変化に悩むことも多くなりますよね。子どもがつらい気持ちを抱えているときには、どのようなサインが見られることが多いのでしょうか。

悩む子ども出典:stock.adobe.com

樋浦さん「子どもが勉強や学校、友だちのことを話さなくなり、『別に』と言って部屋にこもることに悩む親御さんも多いかもしれません。そんなときこそ、子どもが話しかけてきた際には、笑顔でしっかり耳を傾けることを心がけましょう。どんな話でも否定せずに受け止め、親として興味が持てない話や友だちの悪口であっても、途中で遮ったり『今忙しいから後にして』と言ったりするのは避けてください。こうした態度は拒絶された印象を与え、徐々に話しかけてこなくなる原因になります。

話し合う親子出典:stock.adobe.com

子どもが話しかけてくるときは、主役は子どもであり、親は脇役に徹する姿勢が重要です。日頃から子どもとの関係を大切にしていれば、少しの気持ちの変化やつらさにも気づけるようになります。子どもが話しかけるきっかけを作るためにも、なるべく笑顔でいることを心がけてください。もしその笑顔に応える余裕がないように見えるなら、子どもが気持ちを落ち込ませているサインかもしれません。親がそっと寄り添い、その変化に敏感に気づいてあげることが大切です。」

使うときに注意が必要な「2つの言葉」

樋浦さんによると、子どもの緊張をほぐしたり褒めたりする際に、親がよく使う言葉にも注意が必要とのこと。一見ポジティブに見える言葉でも、逆効果になってしまうこともあるのだそうです。

1.「大丈夫」

ガッツポーズの子ども出典:stock.adobe.com

樋浦さん「『大丈夫』という言葉は、安易に使うとかえって逆効果になることがあります。例えば、模試でA判定を取ったときに、『A判定だから大丈夫! 絶対に合格できるね』と声をかけるのは避けたほうがいいでしょう。入試本番までまだ時間がある中で『大丈夫』と言われると、子どもの気持ちが緩み、努力を続けるモチベーションを失ってしまう可能性があるからです。このような場合は、『A判定でよかったね』と、結果をそのまま受け止める言葉をかける方が適切です。

一方で『大丈夫』という言葉は、本番直前のような特別な場面で使うと、子どもに大きな勇気を与えます。不安を抱える子どもの背中を押し、『自分ならできる』という気持ちを引き出す力を持っています。そのため、『大丈夫』という言葉は使うタイミングが重要です。頻繁に使いすぎるとその効果が薄れてしまいます。必要なときにだけ使う、特別な言葉として大切にしておきましょう。」

2.「偉いね」

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樋浦さん「『偉いね』という言葉にも注意が必要です。親が子どもに対して使うと、どうしても上から目線に感じてしまい、『A判定でなければ偉くないのか』と、子どもにプレッシャーを与えてしまう可能性があります。」

受験期は子どものレジリエンスを育てる絶好の機会

伸び悩む子どもや模試の際に緊張している子どもを心配する方も多いと思いますが、受験期こそ、子ども自身の力を育むチャンスなのだと、樋浦さんはおっしゃいます。

樋浦さん「何か失敗や挫折を経験したとき、自分自身で立ち直る力を『レジリエンス』といいます。この力を育てるために親が心がけるべきことは、“子どもを信じて待つこと”です。子どもが困難に直面しているとき、親として手を差し伸べたくなるのは自然なことですが、あえて見守る姿勢を貫くことが重要です。

特に、子どもが自分の力で立ち直ろうともがく姿を見るのは、親にとってつらく感じるかもしれません。しかし、この経験こそが、子どもが将来の困難を乗り越える力を養う土台となります。」

ガッツポーズをする親子出典:stock.adobe.com

樋浦さん「受験期は、このレジリエンスを育てる絶好の機会です。例えば、テストで思うような結果が得られなかったり、友だちに成績で差をつけられたりと、子どもにとって落ち込む出来事が日々起こります。

こうした小さな挫折を経験する中で、子どもは自分なりに気持ちを切り替え、もう一度前を向く力を身につけていきます。親が子どもの努力を信じ、見守ることで、子どもは少しずつ自分自身で困難を乗り越える力を強めていくのです。」

子どもが“受験という山”を乗り越えられるように、親が子どもの力を信じて見守ることが大切なのですね。子どもはもちろん、親も一人で抱え込まずに、お互いに信頼関係を深めるためのコミュニケーションのあり方を考えるきっかけになると幸いです。

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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