子どもの受験が不安…。受験間近に余裕がなくなる親“2つの特徴”

家族・人間関係

www.photo-ac.com
 子どもの受験が不安…。受験間近に余裕がなくなる親“2つの特徴”

2024.01.13

本格的な受験シーズンに入りました。この時期に親子間のコミュニケーションがうまくいかず、親のほうが気持ちに余裕がなくなっていることもあるかもしれません。そこで今回は、コーチングや親子のコミュニケーションについて詳しい久野和禎さんに、子どもの受験間近に余裕がなくなってしまう親の特徴について、教えていただきました。

広告

教えてくれたのは……久野 和禎(ひさの かずよし)さん

久野和禎さん

一般社団法人フィードフォワード協会 代表理事。テンプル大学講師(認知心理学/コーチング)。
「フィードフォワード」という未来志向のコミュニケーション技術を開発し、フォレスト出版より『いつも結果を出す部下に育てるフィードフォワード』を発刊。「世界中のすべての子どもたちにフィードフォワードを無償で届ける」というビジョンのもとでオンラインサロンのメンバーと共に活動を続けている。

親子のすれ違いが起きるのは、ゴール設定がそろっていないから

受験の時期によく起こる問題として「親子のすれ違い」が挙げられるのだと、久野さんはおっしゃいます。すれ違いが起きないために、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。

親子のすれ違いが起きやすい受験シーズン出典:www.photo-ac.com

久野さん「受験の目的が合っているのかどうか、目指している方向について合意ができているかが、スタートの重要ポイントです。
親だけが一生懸命になっていて子どもがやる気を持っていない場合は、そもそもどうしたいのか、ゴール設定がしっかりそろっているのかを話し合ったほうがよいでしょう。しっかり向き合わずに先に進んでも、最終的に問題が起きやすくなってしまいます。

もうすでに受験を目前にしていて時間がないといった場合には、本質的にどうしたいのか、どうなりたいかを一旦は話したうえで『とりあえずは試験の期間を走り抜けよう』という方法もよいと思います」

子どもの受験の際に余裕がなくなる親「2つの特徴」

受験生の親は不安になることも多く、親のほうが思い詰めて精神的に余裕がなくなるケースも多いと言います。久野さんによると、子どもの受験の際に思い詰めてしまいやすい人には2つの特徴があるのだそうです。

思い詰めてしまいやすい人の特徴出典:www.photo-ac.com

久野さん「一つ目の特徴は、“子どもが自分の一部”だと思っている人です。
子どもが小さなうちは自分の一部として考えても仕方がないかもしれませんが、中学校・高校・大学受験の時期までいくと、自分の一部ではなく子ども本人のことだと捉えるようにするとよいでしょう。親は、どのようにサポートするのかという位置で考えると、割りきりやすくなります。

もう一つは、“ここで失敗したら後が大変になる”と錯覚している人です。
わが子にはもっといい道に行ってほしいと思うかもしれませんが、その多くは25歳くらいの未来までしか考えられていません。子どもの人生はこれから長く続いていくものなので、『この道しかない』と思い込んでしまうのではなく、遠くの未来を見据えることが大切だと思います」

次にどうしていくかに目を向ける「フィードフォワード」

未来を見据えるために、取り入れるとよいのが「フィードフォワード」とのこと。ビジネスの世界ではよく知られていると思いますが、じつは親子関係にも変化をもたらしてくれる考え方なのだそうです。
子育て世代にわかりやすい例を挙げていただきました。

未来を見据えた考え方「フィードフォワード」出典:www.photo-ac.com

久野さん「小さなお子さんに、寝る前に『今日どんなことがあった?』と聞くと、その日にあった出来事を話してくれると思います。そこで『明日どうしたい?』の質問に変えるとどうでしょうか。明日のことを考えますよね。
聞き方によって、もう二度とやってこない今日のことを思い出すのか、明日やりたいことを考えるのかが変わってきます。過去が戻ってこないのであれば、未来に目を向けたほうがいいですよね。

それを『前向きに行こう』と声をかけると、できない理由を探してしまいやすいので、『次にどうしていくのか』だけを考えて、次へ次へと進んでいくエネルギーを生み出すのがフィードフォワードの考え方です」

子どものテストの結果が悪かった場合は

たとえば、受験生でテストや模試の結果が悪かったとします。みなさんなら、子どもに何を伝えますか?
フィードフォワードに沿って考えてみると、親子のコミュニケーションによりよい変化をもたらしてくれそうですよ。

テストの結果が悪かった場合出典:www.photo-ac.com

久野さん「結果が思わしくなかったときに『どうしてできなかったの?』と聞きたくなりますが、聞いても子どもが落ち込むだけですよね。そういったことを一切言わずに『○点だったんだね。じゃあ次はどうしようか』と聞くようにして、子どもが『今度はこうしたい』と次の準備を始めることに目を向けるとよいと思います。

過去にできなかったこと、あるいは、できたことにすらあまり触れなくてよくて、今後の対策のほうが大切です。『次にどうするか』『これからどうするか』を質問をすることで、お子さんの気持ちが未来に向くように促せるとよいですね。

そのうちに、子どもだけではなく言っている親自身も『次にどうしようか』と一緒に考えるように変わっていくので、イライラしたり思い詰めたりする気持ちもなくなってきます。
過ぎたことはやってこないことを前提で生きると、受験も家庭生活も、仕事もうまくいきやすくなるのではないでしょうか」

過去の失敗や改善点を指摘するのではなく、「これからどうするか」に置き換えることでコミュニケーションがポジティブなものになりますね。フィードフォワードを意識すると、受験シーズンだけでなく、日常生活でも良好な親子関係が築けそうです。

広告

著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告