教えてくれたのは……株式会社ウィザス 樋浦さん
高校大学事業、学習塾事業、グローバル事業、能力開発・キャリア支援事業を展開。第一ゼミナール・第一学院を運営している。“社会で活躍できる人づくり”を実現できる最高の教育機関をめざすというコーポレートビジョンを掲げている。
子どものやる気を「奪う言葉」と「引き出す言葉」
子どもに「もっと勉強してほしい」という思いから、口出ししてしまって親子関係が悪くなってしまう……。そんな毎日に、お互いにストレスを感じていませんか?
親がつい言ってしまいがちな言葉が、子どものやる気を奪っていることもあるのだと、ウィザスの樋浦さんはおっしゃいます。やる気を引き出すポイントは、“勉強後にかける言葉”なのだそうですよ。
樋浦さん「子どものやる気を引き出すための声かけは、単に親がしてほしいことを伝えるものではありません。『早く勉強しなさい』『テストで40点を取ってどうするの』などの言葉は、子どもにプレッシャーを与えるだけで、やる気を引き出すものにはなりません。
本当の声かけとは、子どもが前向きになり、自らやる気を持てるような言葉をかけることです。特に効果的なのは、勉強が終わった後の声かけです。
例えば、宿題でも『よくがんばったね』『きちんとできたね』と努力を認めてあげる言葉をかけましょう。これにより、子どもは『勉強すれば褒めてもらえる』というポジティブな感覚を持ち、次も頑張ろうという意識が芽生えます。重要なのは、勉強だけでなく、子どもが取り組んでいること全般に対してその努力を評価し、認めてあげることです。親の温かい声かけが、子どものやる気を引き出す大きな力になります。」
「ご褒美をあげる」方法は効果がある?
子どもの努力に対するご褒美として、物を買ってあげる約束をする家庭もあると思います。これは、子どものやる気を引き出すためには効果的なのでしょうか。
樋浦さん「『成績が上がれば〇〇を買ってあげる』といったご褒美を使う外発的動機付けは一時的な効果をもたらすこともあります。しかし、それが常態化してしまうと、子どもはモノを目的に行動するようになり、本来の自主性が失われてしまいます。
子どもが自分で頑張ろうと前向きになるには、自主性を育むことが重要です。自主性を育てるためには、子どもが自分の頑張りを認められる経験を積むことが大切です。
例えば、『よくがんばったね』『成長したね』といった言葉で、子どもの努力や存在そのものをしっかりと肯定してあげましょう。このような声かけが、自己肯定感を高め、子どもが自ら前向きに取り組む意欲を引き出します。ご褒美を与えることが悪いわけではありませんが、それに頼りすぎず、子どもの内側から湧き上がるやる気を育むことを意識しましょう。」
子どもが自分で「前向きにがんばろう」と思えるように、親は適切なサポートができたらよいですね。かける言葉やタイミング次第で、ポジティブな方向に少しずつ変わっていけるかもしれませんよ。