大手前大学 総合文化学部 心理学専攻、文学修士・公認心理師。小・中学校でのスクールカウンセラーとしても活動している。
主な著書は『社会文化の諸相』(共著)、『青年心理学事典』(共著)、「大学生のキャリア形成のプロセスと援助教育について」(共同)「大学生の自我同一性と親の養育態度認知との関連」がある。
相談:息子の字が汚くて何かあるのかな?と不安になります。
11歳の息子の文字がとても汚いんです。
「丁寧に書いてみて」と言っても、やっぱり汚い。
最初はただ字を書くのがただヘタなだけかと思っていましたが、ネットで検索すると障害を抱えている場合がある、という情報が出てきたので少し不安です。
息子が気持ち(メンタル)面で何か悩みがあったり、障害をもっているのか。
また私も息子の字が汚いことに対して直接的に言ってしまうので、それも良くないのでしょうか。何かアドバイス頂けましたら、うれしいです。
(よこもさん、41歳)
子どもが「文字のキレイさ」を気にしていないだけの可能性も。
11歳の息子さんの文字がとても汚いということで、何かの障がいがあるのかというお悩みだと思いますが、文字の汚さ以外にも行動面等で何か気になるところがおありなら、小児科などの専門機関で検査を受けられることをおすすめします。
また、もし息子さんご自身が何か悩みを抱えておられて、それが文字に表れているとのことでしたら、日頃から少し気に掛けて頂き、声掛けや会話を増やしてみては如何でしょうか。気晴らしにご一緒に近くを散歩されたり、遊園地などに出かけるのもいいと思います。
文字の美醜は、非常に個人差が大きいものですし、ツールとしての側面が大きいので、息子さんが、例えば「字は自分がわかればいいのだ」とか「他人が読める程度で十分だ」などと考えておられるなら、息子さん自身は、あまり文字の汚さをお母さんが思っておられる程気にされていないかもしれませんね。
私が、以前関わった小学生も字が下手で、ミミズの這っているような字を書いていたのですが、習字の字を見ると「とめ・はね・はらい」ができた字を書いていましたので、鉛筆の持ち方や力のいれ具合なども関係していると思います。
今後、文字に対しての意識(例えば、「人前で字を書く時、下手だとかっこ悪い」や「整った字の方がいい」など)が変わっていけば、文字も少しずつ整ってくるのではないでしょうか。
まずは親や周りが、文字自体もその子の個性と考えて、叱らず、急かせず、ごきょうだいや家族と比較せず、鉛筆の持ち方や書く姿勢に気をつけて、少しでも字が上手く書ければ褒めることを意識して見守ってみてはいかがでしょうか。