あなたの親が75歳以上なら、いつ介護が必要になってもおかしくない。「介護が必要になる原因」第一位は?

家族・人間関係

stock.adobe.com

2021.11.04

仕事や家事に忙しい40代のsaita世代にとって、いつ直面することになってもおかしくない介護問題。書籍『離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』から、介護が必要になる原因についてご紹介します。

広告

介護がはじまるきっかけは、3パターンあることを以前紹介しましたが、では介護が必要になる原因は一体何でしょうか。今回は、介護が必要になる原因をご紹介。事前に知っておくことで、いざとなったときにも慌てず対処できますよ。



図解とイラストでよくわかる 離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』(角川SSCムック)
監修:池田直子
価格:1,100円(税込)池田直子

介護が必要となる原因の1位は認知症

実際に介護が必要になった原因の1位は、認知症。続いて脳卒中をはじめとする脳血管疾患、高齢による衰弱の順に続きます。また男女別では、男性の原因1位は脳血管疾患、女性の場合は認知症と性別によっても異なります。


介護 原因

要支援・要介護の人口増加

2000年から始まった介護保険制度ですが、この要支援及び要介護の認定者数は3倍も増加しているといいます。また、その数は2021年2月時点で約667万人と21年連続で増加の一途をたどっており、今後も増加すると予想されます。
要支援・要介護認定は「要支援1、2」及び「要介護1~5」の7段階。日常生活でどの程度の支援や介護が必要かによって決定されます。


介護円グラフ

要支援の状態とは

要支援の状態は、1、2どちらの段階ともに、基本的な日常生活を送ることができる状態ではありながらも、日常生活の一部に支援が必要な状態です。この段階での家族の介護負担は、そこまで大きくないでしょう。
家事や買い物などの日常生活に支援が必要な状態が要支援1。要支援2は、要支援1と比べると僅かに能力が低下し何かしらの支援が必要となる状態を指します。
介護出典:stock.adobe.com

要介護の状態とは

要介護は、1から5までの段階に分類され、数字が大きくなるごとに介護の必要性が高くなり、1か月あたりの在宅サービス支給限度額が上がります。また、在宅で受けるサービス以外にも、施設での介護サービスが受けられるようにもなります。
要支援2と要介護1の区別がつきにくいですが、要介護1は立ち上がりや歩行などに不安定さが現れ、入浴や排せつなどに一部介助が必要になる状態です。この要介護1の人口は137万人と全認定者の中でも最も多く、全体の約20%を占めています。

 介護 グラフ

参考:厚生労働省「介護保険事業状況報告月報(暫定版)」

介護者が高齢なケースも

介護をする側もされる側も高齢の、いわゆる「老々介護」は、介護の問題の一つ。介護される人が70代の場合、介護する人も同じく70代のケースが最も多く、70代の介護は夫婦2人でどちらかがどちらかを看ることが多いようです。
一方、介護される人が80代になると、介護する人は50代が多く子ども世代が看ていることが多くなります。介護期間は、平均約4.7年と言われていますが、長ければ10年以上に及ぶ場合も。介護期間が長くなればなるほど、精神的にも体力的にも負担が大きくなります。一人で抱え込まずに他の家族に協力を仰ぎながら、介護サービスを利用するなどして負担を軽減できるようにしましょう。

老々介護出典:www.photo-ac.com

75歳を過ぎたら介護の可能性を考えよう

75歳以上の全人口のうち、要介護認定者は30%以上であることが発表されています。もちろん年齢だけが介護が始まるきっかけではありませんが、親の年齢が75歳を過ぎたら介護が必要になる可能性があることを認識しておきましょう。

「今は介護なんて関係ない」と思っていても、ある日突然介護が必要になるケースは誰にでもあります。いつそうなるか予測がつかないからこそ、慌てずに対応できるよう、事前に介護についての情報収集や、家族と介護について話し合っておくことが大切です。また、忙しくてもなるべく親と連絡を密に取り合い、変化がないか様子をうかがうようにしましょう。

構成:手島くみこ

広告
saitaとは
広告

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る