なぜ忘れ物をしてしまうのか。
・先生の話をうまく聞けていない
・もらったプリントを失くしてしまう
・聞いたことをメモできていない
・メモしたことを親に知らせていない
・メモしていたとしても当日思い出せない
「また聞いてなかったの?」「周りのみんなはできているのにどうして?」と怒ってしまうこともあるのではないでしょうか。
ですが、忘れ物が何度も続いてしまうのは、「やる気がないから」「ぼーっとしているから」だけではありません。
また、やる気や集中力のなさについて叱っても、本人の力で直すことはできません。
”どんな苦手さが忘れものに繋がっているのか”を考えるのが大切です。
注意を向けること、集中力を維持することの難しさ
言われた持ち物を忘れずに持っていくには、大きく5つのプロセスが必要になります。
- 大切な情報に注意を向けて聞く
- 言われたことを理解する
- 必要な情報を厳選して書き留めておく
- メモしたことを家で思い出し、親に伝える・自分で準備する
- 準備したものを当日持っていく
学年が上がると当然のように求められる作業ですが、誰もが当たり前にできるプロセスではありません。
子どもの苦手さがどこにあるのかを見つけて、対策をしましょう。
子どもの忘れもの防止対策
大切な話を聞いたときに何をすればいいのか確認しておく
持ち物に関する伝達はいつ行われているのか。どんな方法で伝えられているのか。連絡をしているとき、周りの子は何をしているのか。
先生から大切な話を聞いたとき、何をすればいいのか共有しておく必要があります。
「帰りの会で持ち物の話があるからね」
「5時間目が終わったら連絡ノートを机に出しておこうね」
「プリントをもらったら黄色いファイルにしまおうね」
まずは先生から聞いたことを親まで伝言することを目指しましょう。
子どもの視点に合わせて、具体的かつ明確な方法を共有するのが大切です。
メモの取り方を工夫する
人の話を聞きながら必要な情報を選別し、紙に書き留めるのは難しい技術です。
情報の取捨選択が難しい子にとっては、何が大切な情報かわからない子もいます。
持ち物に関するメモを取るうえで必要なのは「持ち物・期限」が最優先事項です。
余力があれば「目的」まで書けるとよいかもしれません。
「もっていくもの・いつまで・なんのために」などの項目をノートに書いておくと、メモしやすくなります。
お気に入りのノートを一緒に準備し、「メモする楽しみ」を感じながら書いていけるといいですよね。
忘れたときの処世術を身に着けておく
どんなに対策をしても、「先生の話を聞き漏らす」、「メモそのものを失くす」、「準備したのに持っていくのを忘れる」場合もあります。
なので、忘れたときの処世術を身に着けておくのも大切です。
・気づいたらすぐ先生に相談する
・隣のクラスの友達に貸してもらう
・(教科書の場合)隣の席の子に「見せて」と言って頼む
・(ノートの場合)予備のルーズリーフなどに書く
忘れないための準備ももちろんですが、忘れてしまったときにその場を乗り切る力を身に着けるのも大切です。
「助けてもらったときどうするか」まで一緒に考えておけるとよいと思います。
必要なのは、未然のサポートと失敗に対処する力
忘れものを未然に防ぐには、子どもの特性を理解した親御さんのサポートが欠かせません。
”聞き逃す”、”書き留められない”、”覚えておけない”ことを、子どもの苦手分野と捉え、対策を一緒に考えてあげられるとよいと思います。
同時に、失敗したときの対処力を育むことが大切です。
「ごめんなさい」と「ありがとう」が身についていると、周囲は失敗を許し、手を差し伸べてくれます。