子どもの自己肯定感が“爆上げ”する。親ができる「褒める」よりも大事なこと

家族・人間関係

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 子どもの自己肯定感が“爆上げ”する。親ができる「褒める」よりも大事なこと

2022.05.29

こんにちは。家事シェア研究家の三木です。 娘が通っている小学校では、1年生のときにこんな授業をします。 「I’m special. You’re special 」 私って特別。あなただって特別。自分や友達の存在そのものを「特別な存在」として肯定して、見つめていく授業です。 この授業を通して、子どもとのコミュニケーションにおいて大切なことが何か、教えてもらった気がします。

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わたしは、みんなから大切にされている存在なんだ

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子どもたちは、この授業を通して自分自身のことをよーく観察していきます。
鏡をじっくり見たり、親から生まれた時の話を聞いたり、友達同士でお互いの特徴を話し合ったり。

「あ、こんなところにホクロがあった!」
「わたしが生まれたとき、パパ泣いたの!?」
「わたしって、”勢いがある”って思われてるんだって!」

そうすると、なんとなくぼやけていた「ワタシ」という輪郭がはっきりとしてくるんです。

無自覚だった自分という存在に、手触りや重みが伴ってくる。
自分はこんなにも大切にされているし、見てもらってる。良いところも、悪いところも、色んなものが混ざり合って自分っていう存在ができている。

そんな実感を、1年生のうちに感じていくのです。

それは自分だけじゃなくて。

友達も同じ。自分が色んな人から愛され、大切にされているように。友達だってみんなそれぞれが大切にされて、愛されている存在なんだってことを知るのです。

君がすばらしい存在でることに、理由なんていらない

子どもが産まれたとき。
ただ泣くしかできなくて、親を寝不足にさせて、心配ばっかりさせて、不安な気持ちにもさせてきた君。
そんなはた迷惑な存在だったはずなのに、何よりも大切で愛おしくて、守ってあげたい存在だった。

それは、何かができたから故の愛情じゃなくて、ただただ存在そのものに対する愛おしさです。

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その愛おしさは、いつしか当たり前になり、子どもがいつの間にか評価の対象になってしまっているとしたら、子どもにとっては辛いことかもしれません。

上手に走れたね。
テストで100点取れたね。
ピアノが上達したね。
お手伝いしたね。
お片付けできたね。
静かに我慢していられたね。

大人の基準で、評価されることをすれば子どもは褒めてもらえる。
褒めてもらえたら嬉しくて、もっと褒めてもらおうとする。
褒められる成果を出せなかったら、もう褒めてもらえない。
褒めてもらえない自分なんて。

子どもが、言葉にはしなくても頭の中でそんなモヤモヤを抱えてしまったら、こんなに悲しいことはないなと思う。

このI’m special. You’re special の授業は、ぼくたち親にも、「子どもを無条件に愛すること」を思い出させてくれました。

「褒める」より「喜ぶ」へ

ぼくは家事シェアのコミュニケーションの話をするときによく「”褒める”よりも”喜ぶ”ことが大事」と言います。

褒めると、喜ぶの違いってなんでしょうか。

褒めるとは、評価のことです。
「上手にごはん作れたね」「キレイに掃除できたね」それは、相手を認めているのではなくて「出来栄え」を認めていることになります。

もちろん、とても大切なことだし、言われたほうだって嬉しいのは間違いありません。
でも、たとえば全然料理ができないパパがママの料理に対して「今日の煮物は上手にできたね」なんて言うと下手をすると「どの口が言ってんだい!」と思われることも。

また、毎日のことをいつもいつも同じように褒めると、嘘っぽく聞こえてしまったり、褒めるところを探すのも大変になってきたりします。

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それに対して「喜ぶ」とは、自分の気持の表現です。
相手が上手にできたかどうか、じゃなくて「うれしい」「ありがたい」「助かった!」などなど。
相手の評価をしないでも、感謝と気持ちを伝えられるのが「喜ぶ」のいいところ。

これは、家事シェアに限らず子どもに対しても、とっても大切なコミュニケーションのひとつだと思っています。

子どもは喜んでもらうのが大好き!

子どもに限りませんが、喜んでもらうというのは、ものすごく自己肯定感を高めてくれます。
「テストで100点取った」から得た自己肯定感よりも。
「自分がいるといつも両親が喜んでくれる」という自己肯定感の方がゆらぎなく強力じゃないかなと、ぼくは思います。

だから。
ぼくは娘を褒める何倍も、喜びを伝えるようにしています。
妻は、毎日つくるぼくの料理を心から喜んでくれます。
娘は、一緒に遊べることを、ダンスしながら喜んでいます(笑)

喜びの歯車が、ぐるぐると回っていると、とても幸せな気持ちになれるなと思うのです。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント 家事シェア研究家のnote:https://note.com/tomoari_miki

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