親にとってはなんでもない言葉。子どもはどう受けとっている?
自分がどう思われているのか気になる、相手が何を考えているのかわからない……。
思春期は他の人の目が気になり、何気なく言われた言葉の受け止め方も過敏になりやすいものです。
親は今までと変わりなく接しているつもりでも、子どもの受け止め方によってコミュニケ―ションが難しくなってしまうときも多いんです。
何気ない一言であっても、繊細な気持ちに触れ、機嫌を損ねてしまうこともありますよね。
どんな言葉が刺激になってしまうのか、また、どんな対応を求めているのかを考えていきます。
無意識に言ってしまいがちな要注意ワード
「今が一番楽しい時期なんだから」
友達と学校ではしゃいだり、自由な時間に好きなことに打ちこめたり。
大人から見ると若くてキラキラした学生時代を羨ましく感じたり、あの頃は楽しかったな‥と懐かしんだりするときもありますよね。
ただ、誰しもが学生時代を楽しめるわけではなく、友人関係や進路、自分の性格について悩んでいる子も多くいます。
どんな風に時間を使っていいか悩んでいる子にとっては「今が一番楽しい時期なんだからもったいないよ」などと言われると負担を感じてしまうもの。
「わかってくれていない」と感じたり、「自分は時間を無駄にしてるのかな」と考えやすくなります。
また、大人になる楽しみを否定されている感覚にもなるようです。
背中を押すときには素敵な言葉ですが、「もったいない」のニュアンスと一緒に使うのは要注意です。
「どうせ~なんだから」
失敗のダメージを減らし、期待値を下げてほしい気持ちから、「どうせ~なんだから」と言ってしまうときもありますよね。
ですが、何者かになりたい、何にでもなれると信じている子にとっては傷つく言葉になりかねません。
上手くいかなかったときのショックを和らげようとして、つい口にしてしまうのかもしれませんが、子どもの能力や将来の否定にならないようにしましょう。
子どもが抱く可能性を信じて応援したり、着地点を一緒に探す役割が求められます。
「あなたはできる子だから大丈夫」
励ましとして有効なときもありますが、プレッシャーに感じてしまう言葉でもありますよね。
小さい頃の成績の良さや得意分野を思い出し、「元々の力はあるんだよ」と元気づけたい気持ちはもっとも。
ただ、中には「昔の自分と比較されてる」と感じる子もいるんです。
親としてはついこないだの話であっても、子どもにとっては「誰の話をしてるの?」くらい記憶が薄いもの。
「才能があってもなくても、どんな道に進んでも、親からの評価は変わらない」
そんなメッセージを伝えていけるといいですよね。
決めつけられる、押しつけられるのが負担に
落ち込んでいたり、悶々としている姿を見ると、親心から何か言ってあげないといけない気持ちになるのは当然。
ですが、よかれと思って伝えたメッセージがまっすぐ伝わらないのも思春期の特徴です。
思春期は「さなぎの時期」と言われ、さなぎの内側では蝶になるための著しい変化が起こっているのです。
口数が少なくなり、何を考えているかわからない多感な時期ですが、心の中ではいろんな感情が渦巻いています。
”一歩引いて見守り、ヘルプがあったら受け止める。”
そんな役割を担っていけるとよいと思います。