今と昔、どっちが理想のわが子?
年々自分一人でできることが増え、素直に甘えてきてかわいかったあの頃。
それに比べて……
「小学校のときは甘えん坊で買い物にもついてきていたのに中学ではいつも友達優先」
「中学では厳しい部活を一生懸命頑張っていたのに高校では遊んでばかり」
「昔は本も絵を描くのも好きだったのに今はゲームしかしない」
小学校高学年くらいになると、「昔はあんなに素直だったのに」「言うことをすぐ聞いてくれていたのに」と、昔を振り返る親御さんが多くなります。
いつまでもかわいい子どもでいてほしいのに、そうはいかない。
そんなとき、子どもの変化をどうやって受け止めていけばよいのでしょうか。
「昔はかわいかったのに……」と伝えてしまうのはNG。
たとえそれが本音だったとしても、子どもからすると今の自分を否定されていると感じます。
「昔は(親の言うことを聞いて)かわいかったのに」「昔は(大人しくて)かわいかったのに」など、親にとって“扱いやすい自分”しか求められていないと拡大解釈する子も多いです。
親の思い通りにいかなくなるのは、「自立の過程にある証拠」とも捉えられます。
逆に、手がかからない素直でよい子は、「親に反抗できない子」ともいえるのではないでしょうか。
「昔はかわいかった」は心に留め、「成長したんだな」と受け止めていく必要があります。
「しつけをする・面倒を見る対象」から、「協働する家族メンバー」へ
小さい頃は、物の扱い方や人との関わり方・社会のルールなど、色んな知識を教えてあげていたと思います。
ですが、小学校以降は学校や習い事、そこで関わる人から、自分で知識を獲得していきます。
家庭の外で過ごす時間が増えると視野が広がるよい面もあれば、親からすると不要な知識を得てくるときも増えますよね。
生意気を言ったり、友達の影響を受けてきたり、子どもなりの正論で勝負してきたり。
そんなとき、今まで通り「親が上から教えてあげる」スタンスだと、親子の衝突が増えていき、“昔はかわいかったのに...”と思ってしまうもの。
“言い合えるくらい大きくなったんだな”と捉え、目線を合わせて対等な話し合いをしていくのが大切な心構えになります。
そしてもうひとつ、「親も子どもを頼りにしていく姿勢」でいるのが肝心です。
洗濯や料理、片付けのお手伝いを頼むのもよいのですが、「親が困ったときに相談する相手」として子どもを頼ってみてください。
- パート先でミスをしちゃって、少し落ち込んでるの。どうやったら気持ちを切り替えられるかな。
- おばあちゃんが風邪ひいちゃったみたいなんだけど、何してあげたらいいかな。
- お父さんとお兄ちゃんが今喧嘩してるんだけど、仲直りの方法ないかな。
「面倒を見ないといけない子ども」ではなく、「一緒に過ごしていく仲間」として頼っていくんです。
とんちんかんな答えが返ってくるときもあるかもしれませんが、意外と役立つ案をくれたりもします。
子どもが“頼られてる”と実感できると、親子が「お互いに支え合える存在」になっていきます。
「次のフェーズに移った」と理解する
子どもが昔よりかわいくなかったり、親から離れて寂しく思ったりするのは当然です。
ですが、嘆いても、無理に繋ぎとめようとしても逆効果で、余計思い通りにいかなくなります。
子どもが成長するタイミングは、親も成長を求められるタイミング。
一緒に「お互いを大切にしあえる親子」になっていけるといいですよね。