白物を白くするなら漂白剤!?
白い衣類を白くしたいなら、漂白剤!と思う方も多いと思います。
漂白剤と洗剤は、同じように衣類の汚れを落とすために使われますが、実は汚れを落とすメカニズムが違うんです。
漂白剤は、汚れの色素ごと化学反応で破壊することで汚れを落とします。
一方洗剤は、界面活性剤が汚れに吸着し、衣類から汚れを引きはがします。
漂白剤のほうが、汚れを落とす効果は高いものの、繊維への負担も大きくなります。
どちらが良くて、どちらが悪いというものではないので、衣類や汚れの種類により使い分けをしましょう。
酸素系・塩素系漂白剤の違い
■塩素系漂白剤とは
- 漂白力・殺菌力が強く、衣類用で使われることは多くありません
- 色素を破壊してしまうため、白物にしか使えません
- 刺激臭があり、酸性の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生します
■酸素系漂白剤とは
- 塩素系より漂白力は落ちますが、色柄物にも使えます
- 殺菌力があり、生乾き臭を防ぐ効果もあります
- 金属に触れると化学反応を起こし、衣類を傷つける恐れがあります
漂白剤を使う際の注意点
■必ず洗濯表示を確認する
■金属の金具・ファスナー・ボタンがついた衣類への使用は避ける
酸素系漂白剤は、金属と反応すると化学反応が起き、繊維が破けてしまうことがあります。
特に、綿素材の衣類で、装飾・ボタン・ファスナーなど金属が付属している衣類への使用は避けましょう。
■日焼け止めが付着した衣類への使用は避ける
■40℃以上のお湯を使う
酸素系漂白剤は、お湯を使うことで漂白効果が高まります。
■使用方法をしっかり守る
漂白剤を多く使用したり、長時間つけ置きをすると、繊維を傷め、衣類が薄くなって破けてしまうことがあります。
漂白剤を使わずに白さを取り戻す、つけ置き洗い
大切な衣類やお肌の弱い方・お子様の衣類を白くしたいときには、洗剤でのつけ置き洗いがおすすめです。
汚れの種類別に、おすすめのお洗濯方法をご紹介します!
首元の黄ばみ・黒ずみ
衣類の黄ばみ・黒ずみは、落とし切れなかった皮脂汚れが酸化したもの。
繊維の奥深くに入り込んでしまった汚れは、洗濯機だけでは落としきれません。
汚れとは相反するアルカリ性の洗剤を使い、お湯をでつけ置き洗いすることで、皮脂汚れを溶かし出します。
■つけ置き洗いの手順
- 40~45℃ほどのお湯に、アルカリ性粉洗剤を溶かします。(使用量は洗剤パッケージ参照)
- 衣類がしっかり洗浄液に浸かるよう入れ、30分~2時間ほどつけ置きます。
- 洗浄液ごと洗濯機に入れ、他の衣類と一緒に洗濯機にかけます。
※お湯を使ったつけ置きの前には、必ず洗濯表示をご覧ください。
※色落ちしないか、目立たない箇所でご確認ください。
全体的なくすみ・蓄積汚れ
くすみ・蓄積汚れは、いつものお洗濯での洗い残し・すすぎ残しが原因。
蓄積汚れが気になる衣類は、お湯でつけ置き洗いをしたあと、洗濯機の設定を見直してからお洗濯しましょう!
「時短モード」「すすぎ1回」は便利ではありますが、洗濯の目的は衣類の汚れをしっかり落とすことですよね。
特に、すすぎの回数を増やすだけでも、蓄積汚れやニオイが劇的に変わるんです!
衣類の詰め込みすぎも蓄積汚れの原因となります。
洗濯物の量は8割程にし、衣類が洗濯槽の中でしっかりと回っているか確認します。
■汚れが劇的に落ちる!洗濯機の設定
- 洗い:11分以上
- すすぎ:2回(お肌の弱い方は3回以上がおすすめ)
- 脱水:6分
- 洗濯物の量:8割程まで(ドラム式の場合は5割程度まで)
メイク・日焼け止めの汚れ
メイク用品や日焼け止めは、汗をかいても落ちないように作られているものが多く、お洗濯だけは落としにくい汚れです。
洗濯機にかける前に、油汚れに強い中性洗剤でもみ洗いするか、専用洗剤を使用しましょう!
食べこぼしの汚れ
食べこぼしの汚れは、シミの種類により、落とし方が少し変わります。
■油じみ
油汚れをいきなり水洗いするのは絶対にNGです!!
逆に汚れが落ちづらくなってしまいます。
油汚れに強い中性洗剤を塗布し、余洗いをしてから洗濯機にかけましょう。
■醤油などの水溶性汚れ
水溶性の汚れは、洗剤+水で落とすことができます。
時間が経つと汚れが繊維に染み込んで落ちにくくなるため、外出先では応急処置をしましょう!
<食べこぼしの応急処置>
- 乾いたティッシュで衣類の裏表をはさみ、優しく油分を移しとります
- 水で濡らして硬く絞ったティッシュにハンドソープをつけ、上から押洗いします
- 汚れがある程度落ちたら、洗剤が残らないよう、水をつけたティッシュで押し洗いします
泥汚れ
泥・砂は他の汚れとは少し性質が違います。
土・砂の細かい粒子が繊維の中に入り込んだ汚れなので、水や洗剤でも落とすことができません。
泥汚れを、いきなり水道で洗い流すのはNG!!
細かい土の粒子がさらに繊維の奥へと入り込んでしまい、汚れが落ちなくなってしまいます。
洗濯前に、泥・砂を繊維の奥に入り込ませないための前処理をしましょう。
■泥汚れの前処理
- 泥を乾かし、はたき落とす
- 液体洗剤を直接塗布し、洗剤を溶かした洗浄液でつけ置き洗い
- バケツの中でもみ洗いをし、繊維の奥から汚れを揉み出す
- 洗濯機にかける
好きな服をキレイに長く着られるように
せっかく気に入って買った洋服でも、「汚れるのが心配」と着ていく場所を選んでしまうことがあると思います。
汚れの落とし方を知ると、いつものお洗濯にひと手間を加えるだけで、汚れ落ちを劇的に変えることができます。
お気に入りのお洋服を、好きな時に、キレイに長く、着続けるためのヒントになると嬉しいです。