ブラック校則って一体何?
ブラック校則とは、「一般的に見て明らかに厳しすぎる、学校独自の校則」。
2017年あたりに理不尽な校則に対する不満の声があがり、生徒の間で造語として広まったよう。
校則は、生徒の安全や健康な成長を守るための規則であり、社会に出てから法律やルールを守って行動するための基盤ともなります。
しかし一方で、時代の変化にそぐわないものや学校独自の偏った校則もあるようです。
例えば、
- 生まれつき地毛が薄い場合は黒染めしなければいけない
- 下着の色に指定があり、教員が定期的に確認する
- 男子はツーブロック禁止、女子は肩を超える長さであれば二つ結びかポニーテールにする
それぞれ、
- 髪の色を一律に揃えないと風紀が乱れる
- 体操服着用時に透けるため、また周囲と異なるといじめに繋がる恐れがあるので白色の下着に統一すべき
- 華美な髪型により事件や事故に巻き込まれる可能性が高まる
などの理由があるようで、実際に議会ではこのような校則の必要性について審議されてきました。
学校に通う以上、子どもが理不尽だと感じていても校則に従わせるべきなのか。
それとも、怒られたとしても停学処分になっても自己責任として放任するか、親の立場から学校にかけあうべきか、悩ましいところですよね。
校則を守るメリット、破るデメリット
子どもが理不尽な校則に悩んでいるとき、一緒に考えたいのは守ったとき、破ったときに生じうること。
「ブラック校則」の言葉が広がった経緯のひとつとして、こんな事例があります。
生まれつき茶色い髪を黒く染めるよう教諭から何度も指導され、精神的な苦痛をうけた女子生徒。母親が髪色は生まれつきのものと主張しても聞き入れられず、女子生徒は黒染めで頭皮や頭髪に健康被害も生じた。しかし学校側は、「黒髪にするか、学校を辞めるか」と選択を迫った。
この事例は裁判にまで発展しましたが、生徒とその親御さんにとって相当な心理ストレスがあったと推察されます。
校則によって登校が難しくなるほどのストレスを抱えているのか、それとも卒業までの辛抱と捉えて受け入れられそうか。
また、学校が話し合いに応じてくれるかどうか。例外は受け入れられるか。
学校サイドの融通や歩み寄りの可能性についても合わせて検討していく必要がありますね。
破ることで生じる責任
理不尽に思える校則であっても、学校側は生徒を守るための規則としています。
そのため、ルールからの逸脱は認めがたいんですね。
親の立場から子どもに伝えたいメッセージとしては、「ルールから外れることで生じる責任」。
学校を卒業したあとでも、社会において、職場において必ず遵守すべきルールはつきまといます。
ルールを守らず、ばれたとき・トラブルが生じたとき・誰かに迷惑をかけたとき・自分が傷ついたとき、その責任は自分で取らなければなりません。
校則も同様で、守らなかった際に「自分で責任を受け入れられるか」を考えるのが大切です。
また、親が「守らなくてもいいんじゃない?」と伝えたら、何かあったときフォローしていく責任があるでしょう。
校則の意味を理解したうえで、自分にとっては必要ないと判断したら、伴ってくる弊害も受け入れる覚悟が必要。
- 休み中に髪を染めて注意を受け、評定に影響した
- 学校で禁止されている寄り道をしてトラブルにまきこまれた
- スマホを授業中に使い、SNSの投稿からいじめに発展した
「その先」を想像し、返ってくる弊害を認識できるようになるのが大人へのステップアップです。
学校に守られている期間、「想像力と責任感をもって行動する力」を身に着けていけるといいですよね。
【参考】
・文部科学省「校則の見直し等に関する取組事例」
・衆議院「ブラック校則に対する質問主意書」