子どもから「今日学校行きたくない」と言われたときの対処法。一日休んだらずっと休み続ける…?

家族・人間関係

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2023.04.23

臨床心理士・公認心理師のyukoです。毎日当たり前のように学校へ通える子もいれば、様々な理由から「学校に行きたくない」と訴える子もいます。もし我が子からそう言われたら、どう返事すればよいのでしょうか。子どもの「行きたくなさ」とどのようにつきあっていけばよいかを考えていきます。

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もくじ

「今日行きたくない」と言われたらどうすればいい?
子どもの「行きたくなさ」に関するQ&A
一日休んだらこの先もずっと不登校になってしまう?
「お腹痛い」は本当?
家で楽しそうに過ごしていたら、もう登校できる?
理由を話してくれたら、どんな風に返せばいい?
必要なのは、専門家と相談しながら回復を待つ姿勢

「今日行きたくない」と言われたらどうすればいい?

子どもに「今日行きたくない」と言われたら、どんな風に返事しますか?

この返事を考える上では、「一日休ませたらどうなる?」「お腹痛いって言ってるけど本当かな?」など、様々な疑問が頭に浮かぶと思います。

そこでまずは、親が思い浮かぶ様々な疑問を解消しておく必要があります。
子どもの本音は何なのか、どんな対応が望ましいのかを考えてみます。

子どもの「行きたくなさ」に関するQ&A

一日休んだらこの先もずっと不登校になってしまう?

「一日休んだから不登校になった」「あのとき休ませない方がよかったのかも」と悩む方は多いです。
しかし実際は、一日休んで回復できる子もいれば、一日休んだあとも辛くて行くのが難しい子もいるので最初の決断は悩ましいところ。

落ち込む子ども出典:stock.adobe.com

”一日休んで回復できるならいいけど”と感じる方は多いですが、より休みを必要としているのは後者の方です。

一日休んだあとも辛くて行けなくなるほどであれば、逆にそのとき一日休ませなければ、どうなっていたでしょうか。
辛い気持ちを抱えて我慢し続け、さらに追い込まれていた未来も考えられますよね。

結論としては、「一日休んだから不登校になった」とは言えないかと思います。
そして思い出したいのは、「あのとき休ませておけばこんなことにならなかった」と後悔していた可能性もあるということです。

「お腹痛い」は本当?

「学校行きたくない」に対して、理由を尋ねたら「お腹が痛いから...」と答える子は多いです。

その中には、「お腹が本当に痛すぎて学校に行きたくない子」もいれば、「行きたくない理由はわかっているけど言いたくない子」「なぜ行きたくないか説明できないけど、行きたくない子」もいます。

特に、本当の理由を話しても親にわかってもらえないと感じていたり、がっかりさせるのがわかっているから言えないと口を紡ぐ子は多いもの。

また、学校での苦しみや、それを親に言えない辛い気持ちについて考えると本当に腹痛や頭痛がしてくるなんてときも。

この問題を考えるときに大切なのは、「仮病か否か」ではなく、「身体の痛みを訴えるほどの行きたくなさ」ということです。

学校に行きたくない子ども出典:stock.adobe.com

身体の病気が隠れていないかを病院で診るのは大切ですが、嘘か本当かを問い続けるよりも「身体の痛みを訴えるほどの行きたくなさ」をまず受け入れるのが一番だと感じます。

家で楽しそうに過ごしていたら、もう登校できる?

しばらくの期間学校を休むと、頭痛や腹痛が落ち着き、家での笑顔が増えてくる子が多いです。
楽しく過ごす中では、親に甘えるようになったり、兄弟げんかするようになったりする子も。

ここで多くの親御さんは「家でそんなに元気があるなら学校も行けるはず」と考えやすいもの。
しかし実際は、学校の話をすると避けたり、元気がない素振りを見せる子がほとんどです。
周りから見ると「行きたくないから、弱っているように振舞うのでは」と感じるかもしれないが、それは違います。

「家ではわりと元気になってきたけど、学校はまだ難しい段階」だと理解し、スモールステップで計画を立てて行く必要があるんです。

理由を話してくれたら、どんな風に返せばいい?

気力を取り戻してくると、「あのとき本当はこう思っていたんだ」「実はこうしてほしいんだ」と話せる子もいます。

そこで大切なのは「なるほど」「話してくれてよかった」という声かけ。

親子出典:stock.adobe.com

「どうして早く言ってくれなかったの?」と感じる気持ちもあるかもしれませんが、「ここに来るまで話せなかったんだ」と受け取る姿勢が、今後の親子関係に繋がってきます。

必要なのは、専門家と相談しながら回復を待つ姿勢

子どもの元気がなかったり、周りと同じように過ごせていないと、不安になるのは当然。
そんなときは、パートナー、担任の先生、保健室の先生、スクールカウンセラー、地域の相談センターなど、アクセスしやすい人に繋がるのが大切です。

専門家と相談しながら子どもの様子を見て、回復を待ち、今後の計画を立てていくことが支えとなります。

もしも、子どもが「学校行きたくない」と言ったら...
「想定される未来を考えること」「一人で抱え込まずに相談すること」を思い出してみてください。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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