中学受験直前。子どもが「助かる!」と思う“親のサポート”

家族・人間関係

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 中学受験直前。子どもが「助かる!」と思う“親のサポート”

2023.12.21

臨床心理士・公認心理師のyukoです。受験本番でのこり僅か。この時期、子どもはどのようなサポートがあったら嬉しいのでしょうか。おせっかいにならず、子どもが「助かる」と思えるような親の支えについて、考えていきます。

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何かしてあげたいけど、何をしてあげたらいいんだろう。

中学受験直前のシーズン、何かしてあげたいけど邪魔になったら嫌だし…
親としてできることを探し、そわそわしながら過ごす方は多いです。

子どもが「ありがたいな」と思えるサポートについて、考えていきます。

スケジュールの把握や準備をしておいてくれる

中学受験であれば、子ども本人にスケジュール管理の責任感を持たせず、親がスケジュールを把握・管理するご家庭がほとんど。
子どもは勉強に集中し、受験期間は組まれたスケジュール通りに体を動かすのみで精いっぱいなんですね。

また、受験会場までのルートや時間スケジュールについても、親が事前に確認し、決めてくれると子どもは助かります。

親子出典:stock.adobe.com

余裕がない直前期に、親が「子どもの受験なんだから本人が決めること!」と考えて、子どもにあれこれ質問すると負担をかけてしまいます。

例えば、「何分前に会場についていたい?乗り換えは少ない方がいい?それとも混雑しないルートの方がいいかな?どういうルートだったら行きやすいかな?」などと聞かれても、子どもにはあまり想像しにくいもの。

子ども自身のこだわりがないようでしたら、「みんな大体30分前には到着するようにしているみたい。余裕をもって〇時には家を出ようね。」「いつも乗ってる〇線で行って、〇駅で乗り換えようか。」など、決定事項を伝えた方が負担が軽くなります。

子どもとしては、「どんなルートであっても安全に送り届けてくれるのが一番ありがたい」というのが本音なんですね。

時計や文具などを、当日困らないように準備しておいてくれる

文具出典:stock.adobe.com

  • 受験当日、時計が壊れてしまった。音が鳴る設定にしてしまっていた。
  • 鉛筆の数が十分でなかった。丸い鉛筆で転がってしまった。
  • ティッシュを忘れてしまい、鼻をかむのを我慢しながら取り組んだ。
  • 電車の人ごみと緊張で乗り物酔いしてしまった。

など、受験当日には様々なハプニングがあるものです。

持ち物の事前準備については、親が綿密に準備してくれるととても助かります。

カイロや足が冷えないようなソックスなど、防寒対策についてもフォローがあると嬉しいもの。
当日までの体調管理ももちろん、受験当日を快適な状態で迎えられるようなサポートがありがたいんですね。

好きなものや温かいご飯を用意してくれる

やはり一番ありがたいのが好きなものや温かいご飯を用意してくれること。

親としては縁起をかつぐ食べ物や必要な栄養が入ったものを振る舞いたくなるものですが、子どもが食べ慣れている、好きなものがおすすめ。

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受験生だからといって特別扱いするのが目的ではなく、「応援週間」として、ご飯をちょっと嬉しいほっとできる時間にしていくのがよいでしょう。

親子ともにストレスがたまりやすいこの時期、親自身も好きなものを食べてリラックスしたり、家族全員がほっこりできる食事時間も作っていけるといいですよね。

どんな子も心身ともにクタクタな時期

心配を口にしなくとも、子どもの頭の中では「もし~だったらどうしよう」「本番まで乗り切れるかな」「友達の〇〇ちゃん塾に来なくなったなあ」など、様々な思いが巡っているもの。

そこに、「大丈夫?ちゃんと準備できてる?あなたならきっと大丈夫って信じてるんだけどね。苦手な単元について先生にちゃんと質問してる?本番までにしっかり克服していかないとね」など、声をかけられると頭の中がパンクしてしまいます。

塾で色んな情報が入ってくる分、家では極力落ち着いて過ごしたい、少しでも安心して寝たいというのが子どもの本音。

  • 塾の送り迎えでは、「おつかれ」と声をかけるだけにし、子どもから話すことがなかったら仮眠の時間にしてあげる。
  • 夕食の時間は好きなテレビの録画を見るなどし、1時間ほどゆっくり休憩させてあげる。
  • ゲームの時間や制限はこれまでと変えず、1日数十分楽しみの時間を確保させてあげる。

休む子ども出典:stock.adobe.com

親自身は、「受験直前だから!」と家族全体で気を引き締めたくなるのですが、むしろ家では穏やかな時間を維持する方が受験生の支えになります。
これまでのルーティンを変えず、休息の時間をしっかり設けながら、受験本番まで過ごしていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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