「失敗するかも…」起きてもいないことを心配しすぎる子どもの“理由と対処法”

家族・人間関係

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2024.03.08

臨床心理士・公認心理師のyukoです。授業の発表がうまくいかなかったら、部活で失敗したら、修学旅行の班決めや係決めなど日常の些細なことまで、不安に思う子がいます。そんな心配性な子に対して「心配しても無駄」と伝えるのは逆効果。心配性の子との付き合い方、対処法について考えていきます。

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起きてもいないことを不安に思うわが子、どう接すればいい?

「明日の発表がうまくいかなかったらどうしよう」「希望通りの係になれなかったらいやだな」
など、まだ起きていないことを不安に思う子は多いです。

親はどう声をかけてよいのかわからず、一緒になって心配になってきてしまい案じていると、案外ケロッとして帰ってきたり。

なぜ起きていないことを心配しやすいのか、背景にある理由と対処法を考えてみます。

不安の背景にある理由を理解する

失敗やミスをするのが恥ずかしい

「自身の失敗やミスを極端に避けたがる」、「うまくいかないのが怖い」と感じる子。このような子に、「大丈夫大丈夫」「気にしすぎだよ」などの言葉は通用しません。

大丈夫と思えない気持ち、怖いと感じる気持ちそのものをまず受け止めてあげる必要があるんですね。

そのうえで、チャレンジしたあとのフォローが重要になってきます。
成功したときは、「準備や練習をしっかりした成果がでたね」「始まる前は心配だったけどよく乗り越えたね」とその子自身の頑張りを褒めてあげてください。

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もしうまくいかなかったときは、部分的にうまくいったところを挙げて褒めたうえで、経験を次に活かせるような捉え方を一緒にしていけるとよいでしょう。

成功ー失敗のどちらかで捉えるのではなく、うまくいった点・次は頑張りたい点を整理しながら経験していけると極端な不安を持ちにくくなります。

予測できないことをストレスに感じる

未知のことについて、ネガティブに考えてしまう癖は誰しもあると思います。消極的に考えてしまう癖が特に強い子は、予測できない状況をストレスに感じるもの。どんどん悪い方向に考えが進み、「そうなるに違いない」と思い込んでしまうんですね。

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そのようなとき、ポジティブに考えるよう促しても、逆効果になっていきます。何をどう考えて不安になっているのか、ネガティブになっているのかを知り、整理していくのが重要。その道筋の中で、あまりにも極端な想像があったら現実的な考えに修正していく必要があります。

また、「こういうパターンになったらこうすればいい」「こうなったとしても対処はある」と伝えていけると心が軽くなっていきます。
不安な状況に対しての準備そのものももちろん役立ちますが、一緒に考えてくれる人がいる安心感が一番の支えに。

前向きな方向にも考えていけるよう、少しずつ成長を促していけるとよいですよね。

「心配性」を長所として育てていく

「親に似てしまったのかな」「心配ばかりしていて楽しく過ごしていけるのかな」などと不安に思う親御さんも多いです。

ですが、子どもも色んな経験をしていく中で少しずつ心配性な性格が落ち着いて、自分の特徴とも付き合っていけるようになります。
中には、留学や旅行などで全く違う文化圏の人の価値観に触れたり、非日常な生活をする中で性格が変化する子も。

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克服しなければいけない欠点として考えていくよりも、「慎重」「計画性がある」「リスクヘッジできる」などの長所として育てていくのがおすすめです。

実は私自身もかなり心配性で、「ああなったらどうしよう、もうだめだ」と毎日思いながら過ごしています(笑)
ですがこの性格のおかげで、「万が一こうなったらどうしますか?」と事前に相談しておいたのが功を奏したり、仕事を早めにこなして自分も同僚も安心させる、などメリットのも得ています。

心配性ならではの人生を楽しんでいけるよう、お子さんを支えていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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