加齢でリスクが増す”骨粗しょう症”を予防する「骨を丈夫にする食材」#ビタミン編

心と体

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2024.05.02

骨は体を構成する重要な柱ですが、年を重ねるごとに密度が下がり、弱くなってしまうことが知られています。女性は特に、骨密度を維持する働きのあるエストロゲンの分泌が減少する閉経から、骨粗しょう症のリスクが上がってしまいます。そこで今回も引き続き、老舗の青果仲卸業「小林青果株式会社」さんに”骨を丈夫にする食材”について教えていただきます。

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教えてくれたのは……小林青果株式会社さん

創業以来70年以上にわたり、北九州中央卸市場にて青果の生産者と小売店舗のバイヤーを結ぶ仲卸業を営む小林青果株式会社。九州各県だけでなく、全国各地から旬の食材や特性の強い商品を仕入れ、お客様へお届けしている。安全で安心できる食品の提供はもちろん、作り手の思いや熱量、消費者の期待、販売店の信頼を大切にしている。

「骨粗しょう症」を予防するために

骨の健康は、全体的な身体の健康にとって非常に重要です。年齢を重ねるにつれて低下していく骨密度を維持し、骨粗しょう症のリスクを減らすためには、骨を強くしてくれる適切な栄養素を含む食事が不可欠です。

前回は、骨の主要な構成成分であり、新しい骨の形成に必要な「カルシウム」と、骨の中に入るカルシウム量を調節し、骨芽細胞に働きかけて骨の密度を高める働きのある「マグネシウム」を含む野菜や果実をご紹介しました。
今回は、骨を丈夫にするビタミンを含む野菜をご紹介します。

骨粗しょう症画像出典:www.photo-ac.com

骨を丈夫にする食べもの(野菜)

■ビタミンD

  • 舞茸
  • エリンギ
  • キノコ類以外の野菜には含まれない。

■ビタミンK

  • パセリ
  • シソ
  • だいこん葉
  • ほうれん草
  • 春菊
  • ネギ
  • ニラ

骨粗しょう症画像出典:www.photo-ac.com

骨の健康に効果的な理由

【ビタミンD】

ビタミンDは、カルシウムとリンの吸収を促進し、骨を強化する役割を果たします。カルシウムは骨の主要な構成成分であり、リンと共に骨の硬さと強度を維持するために必要です。ビタミンDが不足すると、これらのミネラルの吸収が低下し、結果として骨が脆くなりやすくなります。

太陽の光はビタミンDの生成に重要な役割を果たします。皮膚に紫外線Bが当たると、体内でビタミンDが生成されます。しかし、日焼け止めの使用や屋内での活動が多い現代生活では、十分なビタミンDを体内で生成することが難しくなっています。
そのため、食事からの摂取やサプリメントの利用が推奨されています。

ビタミンDは、魚類やきのこ類、特に天日干しした干しシイタケなどに豊富に含まれています。また、ビタミンDは脂溶性であるため、油と一緒に摂取することで吸収が向上します。適切なビタミンDの摂取は、骨粗しょう症などの骨の疾患を予防し、全体的な健康を維持するために重要です。

骨粗しょう症画像出典:www.photo-ac.com

【ビタミンK】

ビタミンKは、骨の健康を維持する上で欠かせない栄養素です。ビタミンKは、骨の形成に関与するタンパク質の一つであるオステオカルシンの活性化に必要です。オステオカルシンは、カルシウムが骨に結合するのを助け、骨の密度を高めることで、骨を丈夫にします。

さらに、ビタミンKは血液凝固にも関与しており、出血時に血液を固めることで止血を促進します。この二重の機能により、ビタミンKは出血を防ぎつつ、骨を強化するという重要な役割を担っています。ビタミンKの不足は、血液凝固の問題だけでなく、骨折や骨粗しょう症のリスクを高める可能性があるため、バランスの取れた食事を通じて適切な量を摂取することが推奨されています。

***
丈夫な骨を維持することは、体の健康状態を維持することに直結します。
健康寿命を延ばすためにも、「カルシウム」と「マグネシウム」に加えて、「ビタミンD」と「ビタミンK」を含む食材をバランスよく食べることが大切なんですね。

次回は、「骨」を丈夫にする食材でつくる”おすすめの調理法”をご紹介します。

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著者

鈴木杏

鈴木杏

研究機関の秘書を経て、現在は子育てしながらライターをしています。夫の影響でアウトドア好きになり、今ではキャンプ歴も20年に!キャンプに関する情報や生活に役立つ情報をお届けしていきます。

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