まずは筑前煮(うま煮・煮しめ)を作ろう
こんな感じの根菜類や鶏肉、こんにゃくや練り物、厚揚げなんかが入った煮物を何と呼んでいますか?
筑前煮と言うと通りやすいのかな? 他にはうま煮、煮しめ、がめ煮、いり鶏など地方によって家庭によって呼び方は違うかも。私は関西人なので、色味が薄め。薄口醤油を使うとこうなるんだけど、実は一般的な濃口醤油より、薄口醤油の方が塩分は少し強め。(メーカーさんによるけど)
間違い探しみたいだけど、こっちの写真には我が家の娘が大好きなこんにゃくが入っている。こんにゃくは下茹でして、スプーンでちぎったりすると断面に味がしみやすい。厚揚げも一度茹でて表面の油を落とすと味が入りやすい。
この日は冷蔵庫のお掃除も兼ねていたのでちょっと品数が多いけど、普段は根菜3種くらいとちくわやこんにゃくだけの日も。鶏肉が入ればメインディッシュになるし、無くても充分おいしい。材料を油で炒めてから、醤油や砂糖、みりん、お酒で味付けをしておだしや水を加えて煮る。(大阪では炊くって言う)
こういうのってどっさり作るから、だいたいが残ってしまう。お弁当に入れてもいいし、翌日に出してもいいけど、なかなか残り物って喜んでもらえない……。*「残り物を家族に食べてもらう裏技」については、以前書いたので、よかったらまたそっちを見てもらうとして、今回はこのしみしみな第1形態筑前煮を第2形態へと進化させていく!
※ 夏場の保存はお鍋に残したままではなく、清潔な容器に移し替えて冷蔵庫で保存する。
第2形態 1品目はけんちん汁
まずは、人気の汁もののアレ、けんちん汁。
味のしみた筑前煮の具材をおだしにぶち込んで、水切りした豆腐と併せれば完成。
この日は、料理家栗原はるみさんのゆで鶏のバンバンジーを作ったので、その鶏を茹でたお湯を使った。しょうがやネギの青いところ、そして何より鶏の味が出ていておいしいから、これを捨てる気にはなれない。もしも筑前煮に厚揚げが入っていれば、豆腐はわざわざ入れなくてもいい。こんな都合のいいタイミングでゆで汁が無い場合は、もちろんお湯にだしの素を溶かしたもので大丈夫。味が足りない場合は塩で。
第2形態 2品目はごぼうサラダ
さて、次はごぼうサラダ。お惣菜で良く売られているアレにしよう。
ごぼうを中心にマヨで合えていい感じのモノたちを取り出して、アバウトな千切りにする。味がしっかり入っているので、だいたい何を入れても大丈夫。
千切りっぽくしたら、マヨネーズで和えてできあがり。これまた前日の残りものの茹でた小松菜が少しだけあったので、加えてみた。もちろん無くてもいい。そしていただきものの麦みそも入れてみたんだけど、ちょっとしょっぱくなってしまって失敗。マヨだけで充分だった。具材がすでにしみしみなのをつい忘れて色気を出したのがいけなかった。
セリアの小鉢に盛り付けたらこんな感じ。いつまでも100円で頑張るセリア、大好き。
筑前煮の甘辛味とマヨのまろやかさが奇想天外ながらなかなかのマッチング。そういえば高校時代の気のいい男友達を、職場のデキる女子に紹介して、その後めでたく結婚した! ということがあったんだが、その時以来のマッチングセンスが発揮された、とワタシ的には大変満足な1品だ。
トランスフォームのコツ
炒め物や和え物よりも、味がしみこんだ煮物の方が第2形態へのアレンジがしやすい。カレーや肉じゃがだって、実はトランスフォームを実行しているけど、何も「次」じゃなくてもいい。カレーや肉じゃがの「前」だって、充分献立になりうるから、夏場の暑いキッチンで、できるだけイチから調理せずになんとかする方法を、自由な発想であれやこれやとこねくり回して考えてみよう。
*残り物を家族に食べてもらう裏技
ヒントは「ついつい取っちゃう」旅先の朝食。冷蔵庫の減らない「残りもの」を「食べたいもの」に変えるコツ。