子どもの「なんで?」にうんざり。「子どもとの会話」を楽しむ思考法

家族・人間関係

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2024.10.24

臨床心理士・公認心理師のyukoです。子どもの話はかわいいけど、拙くて似たような話が多く、正直飽きてしまうし退屈……。邪険に扱うわけにもいかないけど、正直苦痛に感じている人は多いかもしれません。聞き上手なお母さんから学ぶ、親自身も楽しみながら子どもの話を広げる聞き方を考えます。

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「ママ、聞いて」と言われるとため息がでてしまう

学校から帰ってくると「ママ、聞いて」と今日あった出来事を話し続ける娘。楽しく通っているのは何よりだし、たくさん話してくれるのもありがたい。ただ、毎日似た話を聞くのは飽きてしまうし、静かにテレビでも見ててくれないかなとも感じてしまう。無視するわけにもいかないけど、退屈と感じる自分の気持ちにも嘘はつけない。どうすればいい?

疲れている母親出典:stock.adobe.com

子どもの話に対して、常に優しく耳を傾け続けられる親御さんは多くありません。
ましてや、仕事で疲れているときや一人でゆっくりしたいときは、子どもの話を親身に聞く余裕はなくなるもの。大人にとっては興味がもてず、大したことではないように思える内容も多いでしょう。

子どもの話を聞くことにストレスを感じるとき、どんな対応をすればよいのでしょうか。
多くの人に共通する悩みと解決法について考えていきます。

子どもの話を退屈に感じるシチュエーションと解決策

アニメやゲームに興味をもてない。

子どもが夢中なアニメやゲームの話。当然子ども向けのものがほとんどなので、同じ熱量で語り合うのは難しいですよね。

しかし、子どもが何にはまっているのか、何に興奮しているのかに目を向けると新たな発見ができることも。

  • 相手に勝つことばかりを楽しんでいると思ったら、ゲームのストーリー性にも注目していた。
  • 町や村を創作するゲームでは、実際の国やお気に入りのアニメから発想を得て作っていた。
  • アニメの主人公ではない意外な登場人物を推していた。キャラクターの声優にも注目していた。

笑顔で話す親子出典:stock.adobe.com

子どもがどのような視点で楽しんでいるかを知ると会話も今までより楽しくなります。
上記の例では、お気に入り声優の違うアニメも見てみたり、子どもが魅力を感じている国について調べたり、話題や発想を広げてみるのもひとつです。

友達やクラスメイトの話が多い

子ども本人の話ならまだしも、同級生やクラスメイトの話もなかなか興味を持ちにくいもの。
「〇〇君が何をして先生に怒られた」「〇〇ちゃんがクラスでこんなことをした」など、聞き流してしまう親御さんも多いでしょう。

しかし、聞き上手な親御さんからこんな話をお伺いしたことがあります。
その親御さんは、何度も登場するクラスメイトは名前を覚えて、頭の中でキャラクターのように変換して楽しんでいるそう。
そうするとアニメを見ているような気分で話を聞けるといいます。

また、子どもと別の話をしているときも「こんなとき〇〇ちゃんだったらどうするかな? なんて言うかな?」などと会話を広げられて、子どもも嬉しそうに考えているとのこと。

話す親子出典:stock.adobe.com

親子で一緒にいろんな友達に関する会話を広げていけたら楽しいですよね。

子どもの「なんで?」にうんざり

身の回りの様々なことに興味を持ち始めると、子どもは親に「なんで?なんで?」と聞きますよね。
幼児のときはかわいいなと感じられていても、小学生くらいになると「自分で調べて」と言いたくなるかもしれません。それに今はネットで調べたり、ChatGPTに聞けばすぐに正解を教えてくれます。

子どもは物事の「原因」や「理由」ではなく、「意味」を知りたいときも多いといいます。

例えば「なんで太陽はこんなに明るいの?」と聞かれたとき、「理由」を答えると「太陽は恒星のひとつだから自分から熱を発しているし、温度が高いから眩しくて明るいんだよ」といった回答になるでしょう。ですがこれでは子どもも、わかったようでわからず、回答している大人側もあまり楽しくなさそうです。

一方「意味」として捉えると、科学的な正解はなく、自由に考えていいものとなります。
「朝みんなを起こすためかな」「植物が元気に育つように明るく照らしてくれてるからかな」など、子どもと一緒に考えてみるのも楽しくなりそうです。

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子どもはときに、大人が「そんなこと知らないよ」と思うような質問をしてきます。でもそのようなとき、「面白いな」と思って一緒に考えていけると、親子の時間がより豊かになるでしょう。子どもとの会話を少しずつ、余裕があるときに楽しんでいけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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