”ゴキブリを1匹見たら100匹いる”は本当なの?気になる噂の真相を専門家に聞いた

家のこと

2025.07.21

家のなかで遭遇したくない虫といったら、やはりゴキブリですよね。夏になると本格的な活動期に入るため、気になっている方も多いのではないでしょうか。ゴキブリは”1匹見かけたら家に100匹はいる”という噂をよく耳にしますが、これは本当なのでしょうか? 今回は、ゴキブリ駆除に詳しい大野宗さんに「ゴキブリ1匹いたら100匹の真相」と「ゴキブリを見たときの対策」について教えていただきました。

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教えてくれたのは……大野 宗さん

大阪府出身。近畿大学理工学部を卒業後、ゴキブリ駆除業界に携わる。2007年に株式会社クリーンライフを設立し、代表取締役に就任。従来の駆除業界の慣習を覆し、「完全駆除」に特化した独自のサービスを展開。高い技術力と徹底した顧客対応により、ゴキブリ駆除の分野で圧倒的な信頼を獲得し、業界をリードする存在となる。現在は全国の飲食店や食品工場、宿泊施設などに向けた害虫管理サービスを提供し、業界の革新に取り組んでいる。

「ゴキブリが1匹いたら100匹いる」の真相

ゴキブリの真相出典:stock.adobe.com

みなさんは、「家でゴキブリを1匹見かけたら、100匹は潜んでいる」という話を耳にしたことはありませんか? 見かけた1匹を駆除しても、「家のなかにまだたくさんのゴキブリが隠れているかもしれない……」と考えると、気持ちが沈んでしまいますよね。
しかし、噂でしか聞いたことのないこの話は、本当なのでしょうか?
ゴキブリ博士こと、ゴキブリ駆除業者の代表取締役社長である大野宗さんに、この噂について詳しく教えていただきました。

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ゴキブリ博士が教える”見極め方”

「ゴキブリを1匹見たら100匹いる」という噂の通り、1匹見たら100匹いることもあります。また、1匹見たら1匹のときも、逆に1万匹以上いるときもあります。それは、その1匹を見たときのシチュエーションによって、ある程度の判断が可能なんです。

【クロゴキブリ】と【チャバネゴキブリ】の違い

ゴキブリにもいろいろ種類があり、世界で約3500種、日本では51種が記録されています。そのうち、みなさんがよく見かけるゴキブリは「クロゴキブリ」で、次に「チャバネゴキブリ」かと思われます。

【クロゴキブリ】
一番の特徴は生息域が屋外と屋内で、より自分たちにとって環境の良いところへ移動します。屋外の厳しい環境から屋内の良い環境へ侵入することから、一般家屋内で見かけることが多くなります。

【チャバネゴキブリ】
寒さに弱く、日本の冬の屋外では生きていけません。一般家屋内へ浸入するには何かしらについて持ち込まれるしかありません。例えば宅配物の段ボールについていたり、大発生している飲食店に入って靴や衣服について持ち帰るくらいなので、家庭ではクロゴキブリより見る可能性が低くなります。飲食店には様々なものが毎日のように納品されることから、一般家庭より持ち込まれるリスクがかなり上がります。

ゴキブリの種類と見たときの状況によって判断

ゴキブリの種類でわかる出典:stock.adobe.com

ゴキブリは、卵→幼虫→成虫と成長し、成虫となって初めて卵が産めます。チャバネゴキブリはクロゴキブリに比べ成虫になるまでが早いことから、増えるスピードは圧倒的に早くなります。
クロゴキブリは成虫になるまで約1年かかることから、1年間成虫になるまで誰にも発見されずに生息するのは難しく、自宅でクロゴキブリの成虫を1匹見た場合は、屋外から1匹侵入した可能性の方がかなり高くなります。

ゴキブリは夜行性です。日中の明るい時間帯、電気がついている時間帯は、暗く狭い箇所に身を潜めていることから、なかなか目につくことはありません。
逆に、明るい時間帯にチャバネゴキブリを定期的に1匹見る、もしくは数匹見る場合は高い確率で繁殖が始まっており、かなりの数生息していることが疑われます。100匹いることもあれば1万匹いることもありますが、その判断は発見の頻度と個体数によって異なります。

ゴキブリを見たときの”対策”は?

ゴキブリの対策出典:stock.adobe.com

つぎに、ゴキブリを見たときの対策についてご紹介します。

家のなかでゴキブリを発見したときは、まず、ゴキブリの種類を判断しましょう。ゴキブリは脱皮を繰り返し大きくなり成虫になります。成虫ではクロゴキブリが大きく、チャバネゴキブリが小さいですが、成虫になる過程で大きさだけでは判断できません。
種類がわかったら、種類や成長度合いに応じて対策を講じます。

クロゴキブリの場合

成虫……1匹での屋外から侵入を疑い、自宅に隙間がないか確認しましょう。あれば隙間を埋めます。

幼虫……屋内で卵が孵った発見箇所付近で同じ大きさのものがいないか確認し、いたら市販の殺虫剤で殺虫しましょう。

毎日のように成虫、幼虫を見る場合は自宅で繁殖している可能性があるため、業者に調査、駆除してもらうのがおすすめです。

チャバネゴキブリの場合

成虫、幼虫問わず、週1〜2回以上見る場合は繁殖している可能性が高いため、すぐに専門業者に連絡しましょう。 ご自身で専用の駆除スプレーを使う場合、ピレスロイド系のスプレーは忌避効果があるため、奥へ奥へ 逃げ込み駆除が難しくなります。薬剤を使う場合は、ブラックキャップのような食毒剤のほうがおすすめです。

「ゴキブリを1匹見かけても、必ず100匹いるわけではない」とのお話に少しホッとしたものの、状況によっては、100匹どころか1万匹以上ものゴキブリが自宅内で繁殖をくり返している可能性もあるんですね……。
ゴキブリを見ないまま夏を終えるのが理想ですが、もし見かけてしまったときは早めの対策が肝心です。ゴキブリの種類や見かけたときの状況に応じて、適切に対処しましょう。

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著者

鈴木杏

鈴木杏

研究機関の秘書を経て、現在は子育てしながらライターをしています。夫の影響でアウトドア好きになり、今ではキャンプ歴も20年に!キャンプに関する情報や生活に役立つ情報をお届けしていきます。

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