教えてくれたのは……株式会社フォーカス
ECサイト「CLAT-JAPAN」を運営し、オリジナルタオルやTシャツの販売、商品へのプリント・刺繍加工を行っている。タオルやTシャツ、バッグなど繊維製品を多く取り扱っているため、商品の選び方や長持ちさせる洗濯方法、消臭・洗浄テクニックなどの実用的なコンテンツも提供。「集う価値に彩りを」という理念のもと、信頼性の高いサービスとオリジナル商品を通じて、お客様の一生の思い出になるかもしれない”その日”を彩るイベントをサポートしている。
タオルのイヤな臭いを取る「熱湯消毒」のやり方
前回の記事では、「タオルのイヤな臭いの原因」と「熱湯消毒のメリット」について解説しました。タオルを熱湯消毒する際は、以下の手順に沿って行ってくださいね。
用意するもの
- 大きめの鍋
- トングまたは菜箸
- タオルが浸かる程度の水
手順
- 鍋に水またはお湯を入れ、火にかけます。
- お湯が60度以上になったらタオルを入れます。
- 弱火にして約20分浸けておきます。
- トングまたは菜箸でタオルを取り出し、水ですすぎます。
- 通常どおり洗濯機で洗います。
- 通気性のよい場所で、しっかりと乾かします。
タオルを天日干しすると、水分が飛びすぎて生地が傷み、硬くなる可能性があります。直射日光の当たらない場所でしっかり乾燥させることが、柔らかく仕上げるポイントです。
臭いがひどい場合
臭いがひどいときには、洗剤や重曹、漂白剤を加えた熱湯消毒がおすすめです。洗剤や重曹は、水によく溶かしてから使用してください。また、アルカリ性の重曹や漂白剤を使用する際は、ホーローやステンレス製の鍋を選ぶと安心です。アルミ製の鍋は化学反応によって黒ずみが生じる可能性があるため、避けてください。
熱湯消毒の際の「3つの注意点」
タオルの種類によって、色落ちや繊維の傷みなどのリスクがあるため、以下の3つの注意点に気をつけて行いましょう。
注意1.菌によって必要な消毒時間が異なる
タオルに付着している菌の種類により、消毒に必要な時間が異なります。
- モラクセラ菌(臭いの原因菌):60度のお湯に20分ほど浸けると死滅するとされています。
- ノロウイルスやO-157、カンピロバクター:85度以上の熱湯に1分間浸けて除去できます。
- 新型コロナウイルス:80度以上のお湯に10分間浸けると殺菌可能です。
短時間や低温で行う熱湯消毒では、十分な殺菌効果が得られない可能性があります。時間とお湯の温度を守って適切な殺菌を心がけましょう。
出典:厚生労働省「腸管出血性大腸菌O157等による食中毒」
出典:厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
注意2.タオルが色落ちする可能性がある
赤や青などの色の濃いカラータオルや、綿・麻・絹の素材を使用したタオルを熱湯消毒すると、色落ちする可能性があります。色落ちが心配な場合は、熱湯消毒の前に以下の手順で色落ちテストを実施しましょう。
- タオルの目立たない位置に洗濯洗剤の原液をつけ、5分間放置します。
- 洗剤を付けた場所を白い布で叩きます。
白い布に色が付着した場合、そのタオルは色落ちする可能性が高いと言えます。まずは、色落ちしても問題ないタオルで試し、熱湯消毒による変化を確認してから行うと安心です。
注意3.煮沸によって傷む素材もある
熱湯消毒を行う前に、タオルの洗濯表示で素材を確認することが重要です。ナイロンやポリエステルなどの化学繊維、ウール、シルクなどの素材は熱に弱く、熱湯消毒すると繊維が傷んだり、変質したりする恐れがあり、注意が必要です。一方、綿や麻は熱に比較的強い素材のため、熱湯消毒に適しています。
熱湯消毒以外にも!タオルのイヤな臭いを取る「2つの対処法」
タオルのイヤな臭いに効果的な方法は、熱湯消毒以外にもいくつかあります。家庭にあるもので手軽にできる2つの対処法をご紹介しますので、ぜひ試してみてくださいね。
1. 重曹で浸け置き洗いする
重曹(炭酸水素ナトリウム)は、加熱することでアルカリ性が高まり、皮脂や汗、ジュースなどの酸性の汚れと中和して臭いを除去します。
◆手順
- 洗面器やバケツなどに40~60度のぬるま湯を用意します。
- お湯に重曹を溶かします。お湯10Lに対して大さじ1杯の重曹を使用してください。
- タオルを30分~1時間浸けます。
- 通常どおり洗濯し、しっかり乾かします。
重曹は水に溶けにくいため、ぬるま湯を使用するのがポイントです。シルクやウールなどの天然繊維でできたタオルは、生地を傷めてしまう恐れがあるため避けましょう。
2.電子レンジで加熱する
臭いの原因となる雑菌は熱に弱いため、電子レンジで加熱することで臭いの軽減につながります。
◆手順
- タオルを水に濡らし、ラップで包みます。
- 500Wで約1分間加熱します。
- 取り出したらすぐに洗濯し、しっかり乾かします。
電子レンジを使用する場合、タオルは必ず濡らしてから加熱しましょう。濡らさずに加熱すると、タオルが燃える可能性があります。また、化学繊維や金糸、ラメ糸を使用しているタオルは、発火の恐れがあるため、電子レンジ加熱はNGです。使用するタオルの素材に十分注意してください。
タオルのイヤな臭い対策には、熱湯消毒をはじめ、さまざまな効果的な方法があります。適切な方法を選び、毎日清潔なタオルを使えるようにお手入れしてくださいね。