妻に「サプライズ家事」をしたのに“喜んでもらえない”ワケ

家のこと

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2025.12.10

こんにちは。家事シェア研究家の三木です。 夫が家事をしたら、それはどんな家事であっても気持ちはうれしいものです。ですが、「やってくれたら何でもありがたい」とも限らないのが現実。 今日は、ちょっと厳し目ですが「サプライズ家事」はしちゃダメだよ、という話をします。

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家事さえすれば「なんでもいい」わけじゃない理由

考える女性出典:stock.adobe.com

まずこの話を進める前に大前提として。 「主体的に家事を行うことは、とってもありがたいこと」です。これは、パパがやっても、ママがやっても、子どもたちがやっても同じ。 たとえば、子どもがパパに牛乳を入れてあげようとした。だけど失敗してこぼしちゃった! 「あちゃ〜、掃除大変だ〜」となりますが、それでも牛乳を入れようとしてくれた気持ちってとっても嬉しい。 だからやっぱりその家事の出来不出来の前に「ありがとう」の気持ちを伝えることって大切です。
そのうえで大人同士になると「そうじゃないんだよな」という家事もあります。

たとえばサプライズ家事

あるパパから聞いた話です。
「早く帰れたから、ご飯作っておいたよ!」とウキウキしながら妻と子どもを迎えたパパさん。 ですがその時ママは、仕事を急いで切り上げて子どものお迎えにいき、グズる子どもを連れてスーパーで買物。夕飯のメニューを頭フル回転で考え、冷蔵庫の残り物や使わなきゃいけない食材をパズルのように組み立てて、ヘトヘトで帰宅。ウキウキしているパパを見て「ありがたい」とわかっていながらも口から漏れたのは「……なんで早く帰れるって連絡してくれなかったの…?」でした。

めちゃくちゃ喜んでもらえると思っていたパパはきょとん。 「気が利く! すごくありがたい!!」って手放しで喜んでもらえると思っていたのに、なぜ喜んでくれなかったんだろう……と。

なんとももったいない話です。
せっかくのパパの好意が、たった一本の連絡を怠り「サプライズしよーっと!」と思ってしまったことで伝わらなくなってしまった。
早く帰れたことも、それでご飯を作っておいてくれたことも、それ自体は素敵なことです。 ですが、たったひとつ、気づいていなかったのは「家事には流れがある」ということ

家事の「流れ」を妨げない

ご飯の準備をする女性出典:stock.adobe.com

家事を普段やらない人は家事を「点」でしか捉えられていません。 たとえば、昼ご飯を食べた後に「いまから昼ご飯つくるね!」と言われたら「なぜ!?」となりますよね。 ご飯ならそんなの当たり前で、誰でもわかります。

ですが、洗剤のストックがまだあるのに「買ってきたよ!」って人は結構います。 掃除より夕飯の買い物と仕度をしなくちゃいけない、子どもの相手をしなくちゃいけないのに、そっちは無視で掃除をはじめてしまったりする人もいる。 家事の流れがわかっていないので、優先すべきことが何なのかわかっておらず、せっかくやってるのに「余計なことしなくていい」なんて言われてしまったり

お互いがしっかり流れを把握できてると、こうした流れを妨げるような入り方をしません

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家事は「チームプレー」で回す

夫婦でご飯の支度出典:stock.adobe.com

僕は家事育児はチームプレーで回すのが最もよいと考えています。 チームプレーといえばスポーツですが、野球で全員がホームランを狙って打つチームは間違いなく弱小チームです。それぞれの打順の役割を把握して、塁を進めていくのがチームプレー。 「打てばいいじゃん! ホームランになったら点が入るんだからさ!」という8番バッターはホームランも打てないし、戦力外なのです。

家の中でビッグマウスな8番バッターになっていないでしょうか??

まずは情報共有がチームプレーの基本

LINEを送る夫出典:stock.adobe.com

「サプライズでびっくりさせよう!」なんてウキウキしてる場合じゃありません。 チームプレーの基本は情報共有です。 LINEで一本「早く帰れそうだから、ご飯作っておくね!」と送ればいい、こんなのはたった3秒で終わります。

そしたら「冷蔵庫に豚肉残ってるからそれを使って欲しい」とか「ご飯より子どものお迎え行って欲しい」とか「醤油が切れてるから買い物行ったら買っておいて」とか、家事の流れをスムーズにすることができるのです。

そして何より、その一本のLINEがどれだけサプライズでありがたく、嬉しいか。 サプライズはそれだけでもう充分なのです。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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