やること……なくない?
「やることないって、どういうこと!?」と、毎日家事に育児に疲弊しているママからは怒りの声が聞こえそうですが。
じつは、結構多いんです。ポイントは「やることがわからない」じゃなくて「やることがない」と思っていること。「名もなき家事」という言葉が広まったのも、家事ってのは、見えない作業がとても多いから。
家事をよくわからないパパは、「家事って、料理と掃除と洗濯のことでしょ?」という程度の認識しかありません。ですが、家事ってのはほんとうに幅広い。たとえば、僕は家事の時短について話をするときに、その種類を大きく3つにわけて話しています。
【1】考える家事
手を動かすだけでなく、計画や工夫、判断をともなう家事
【2】手を動かす家事
実際に自分の手や身体をつかって行う家事
【3】手放せる家事
デジタル化、家事代行、やめ家事など。様々な手法で手放すことができる家事
よく言われるのは、料理とは「調理」をすることだけではないということ。冷蔵庫の食材や前後に食べた物や予算、家族の好み、栄養バランスについて考えながらメニューを考える。段取りを組みながら調理する。この最中に洗い物をしたりもすれば、食器を並べたりもします。その後は洗い物をして片付けをして、残った食材を保存したりもします。
調理は料理の中のほんの一部分。ほかは「考える家事」になります。
時短を考えるときには、【1】【2】の中からいかに【3】を見つけ出すか、がポイントになります。
このように、家事についての解像度が高ければ「やることがない」なんてことにはならないはず。
ところが、実際には「ない」と思い込んでしまっているパパもたくさんいる。
なぜ、やることがないのか?
「やることないな」とパパが思ってしまうのには2つの理由があります。
【1】家事のピークタイムに家にいない
家事育児には忙しい時間帯があります。朝起きてから家を出るまでの朝家事時間と、帰宅してから子どもが寝るまでの夜家事時間。
おおよそ朝と夜の6~9時にあたるこの時間を、家事のピークタイムと呼んでいます。このピークタイム時間に家事シェアできなければ、ほとんどやることがない、という状態になってしまいます。
たとえば、夜の帰りが22時より遅くなってしまうような場合。それまでに最低限の家事を終わせていることになるので、帰ってきた頃にはもうやることがない状態だったりする。朝だって、出勤の2~30分まえに起きてきて、自分の身支度するのが精一杯、という状態だともはや「できることがない」という状態です。
そして、家事をやる人は「いるかどうか、やれるかどうかわからない相手を頼りにした計画はたてない」ので、どんどん「やることがなくなっていく」という状態になります。
【2】自分は気にならない
家によっては、家事に手が回らなくて洗濯物が部屋中に山積みになっていたり、洗い物がそのまま残っていたり、お風呂掃除ができずカビが出てきてしまったり、なんて状態にもなります。これは明らかに「やること」が目の前にたくさんある状態。それなのに、平気で「やることがない」というパパはいます。
それは「自分は気にならないから」というケース。散らかっていても、汚れていても、全然気にならない。なんか、妻がイライラしてるけど、気にしなきゃいいだけなのになと。これはなかなか大変です。
信じがたいかもしれないけど、案外あるあるです
こうした理由により「家事ってとくに俺がやることないよなー」と思ってるパパさんって、じつはあるある。程度の差こそあれ、そこまで珍しい話でもありません。
そんなパパさんに一言いうなら。「家事は自分事じゃなくて『家族事』」ということ。自分さえよければいい、という考えではともに生活をするのは、負担がかかりすぎてしまう。
だから、家事は家族事。自分も含めた家族みんなが心地よく助け合える、ちょうどいいバランスを探し出すことが大切なのです。