1. 待てる親 vs 急がせる親
任せられる親は、子どもが何分かかろうと、「時間がかかること=学びの時間」と捉えています。
一方、先回りする親は、「早くして!」とつい急かしてしまう。
それは悪気ではなく、“日々が忙しすぎる”から。
でも、ここでほんの少し立ち止まって、「いまこの時間、未来の自立につながるかも」と思えたら、気持ちが変わります。
2. 小さな失敗を許す親 vs 完成度を求める親
「自分で着替えたけど、前後逆」
「お皿を運んだけど、ちょっとこぼした」
こういうとき、笑って「自分でやったことがすごいね」と言えるでしょうか。なかなか難しいかもしれません。
でも、もしもつい「ほら、言ったでしょ」と正しさを優先してしまうなら。
反射的に吐き出しそうになるその一言をグッと堪えるだけでも違います。
完璧より「できた喜び」の積み重ねが、子どもの自信になります。
3. 応援の声かけ vs 指示の声かけ
“見守ってるからね”という安心感って、子どもの挑戦を支える力になります。
つい手が出てしまいそうになっても、最後までやらせてみる。失敗を「学び」と捉える。むしろ失敗したら「いい学びになったね」と笑いかけてあげる。
「それ違うよ」「こうやってやるんだよ」と指示をして、失敗するチャンスを奪ってしまうと、子どもは“言われないと動けない”思考になってしまうこともあります。
4. プロセス重視 vs 結果重視
子どもが何かをやり遂げたとき、「どんなふうにやったの?」と過程を聞いていますか?
「よかったね」だけじゃなくて、やり遂げるまでにどんなことがあったのか。子どももそれを「話す」ことで、経験を言語化して内省する力が育ちます。
結果ばかり気にして「次はこうしたらいいよ」とアドバイスをすぐにしたくなる気持ちもわかる。
だけど、結果だけでなく“どんな気持ちだったか”に寄り添うことも、成長を支える大切な要素です。
5. “長い目”の親 vs “今を回す”親
子育ては気長な長距離走。「今は遠回りに見えても、きっと意味がある」と信じる必要があります。
短期的に覚えたことより、時間をかけて学んだことは、子どもの自律心を育んでくれます。
目の前の混乱や非効率をとにかく減らしたいと思いすぎると、つい先回りしてしまいたくなります。
でも、“正解を教える”だけでは、考える力は育ちにくいもの。
「うまくいかないままでも、いっか」と思える余白が、子どもの成長を支える土壌になります。
「任せる」って、放任じゃなくて信じること
ここまで読んで、「全部できてない……」と落ち込む必要はありません。
僕自身、娘が小さかった頃は、つい手も口も出してしまっていました。
でも、「任せる=放任」ではなく、
“子どもを信じて、見守り、任せる”という、関わり方に気づいてから、少しずつ変わっていけました。
子どもを信じるって、
「きっとこの子なら、自分の力でなんとかするだろう」と思って、親の不安を超えて“待てること”だと思います。
さいごに
「この子が育つ力を、私は信じてる」
その気持ちは、同時に“自分も、任せられる親になれる”という信頼でもあると、僕は思います。
だから今日も、うまくいかなくてもいい。
完璧じゃなくてもいい。
一歩、任せてみよう。
そして一歩、自分を信じてみよう。