「話したくない」は拒否ではなく、バッテリー切れに近い
話しかけたのにリアクションが薄い。「ああ」とか「うん」しか返事が返ってこない。そうすると機嫌が悪いのかな、変なこと言ったかなと不安になったりもします。
でも、話したくない理由の多くは、相手への不満だけではありません。 もう言葉を処理するメモリーがないという、いわばバッテリー切れに近い状態だったりします。
会議が続いた日、子どもの宿題やひとりで兄弟の沐浴をやった日、体調が微妙な日。 そんなときに「今日どうだった?」と聞かれると、「コミュニケーション取らなきゃ」と思いつつも答えを考える課題に感じてしまうことがあります。
話さないことは、関心がないこととイコールではありません。 今夜は電源をオフにしたいという、自分自身のメンテナンス作業の結果であることも多いんです。
「会話ゼロの日」も健全、という前提を夫婦で持つ
夫婦に必要なのは、常時楽しく会話をし続けることではありません。 ぼくもsaitaでよく書きますが、会話の工夫は、話をする余白がある夜にしてみる。 いつもいつも、考えながら会話をするのは、現実的とは言えないでしょう。
だからこそ、あらかじめこんな前提を共有しておくと楽になります。
- 毎晩、リビングで深い話をする必要はない
- 無言の時間は、不機嫌の現れではない、休みでもいい
「会話ゼロの日」を不安に思う必要はありません。 まずいのは会話ゼロの日ではなく、なぜ黙っているかが伝わらず、誤解だけを与えてしまう状態です。
合図の言語化
疲れていたり、会話をしたくない日だからといって、無言でイヤホンを着けてただ黙っていたら、相手は不安になりますよね(実際に、そういうご夫婦の話を聞いたことがあります……!)。
でも、もしそれがお互いの中で了解済みの合図になっているのなら、いいかもしれません。 「イヤホン着けてるときは、ちょっと疲れてるときだから放っておいて欲しい」とか。
とはいえ、さすがにちょっと角が立つのでひと言だけ伝えておくのがベストです。
「今日はちょっとひとりで考え事したい」 「ちょっと、話をする元気もないくらい疲れたから、そっとしておいて欲しい」
このときに大事なのは、そういう合図があったときにどうするかを事前に話し合っておくこと。 そうしないと「大丈夫? 何があった?」と心配してかえって話しかけられたり質問されることもあります。
疲れているときに突然「話しかけないで」と言われたら、やはり心配になります。 でも、元気なときに「そっとしておいて欲しい、と言ったらお互いあまり話しかけずにそっとするようにしよう」など決めておくと角が立ちません。
会話ゼロの日から、通常モードへ戻る
話したくない夜を尊重するうえで、気をつけるべきは冷戦と区別できるかです。
冷戦は、沈黙のあとにつなぎ直しの予定がない状態。 一方で、今夜は休む日は、いつ・どうやって戻るかが見えている状態です。
たとえば、こんなルールがあります。
・寝るときには機嫌よく「おやすみ」を言う(朝は「おはよう」を忘れない) ・そっとしておいてくれたお礼を必ず言う
そっとしておいてる方としては「いつまで話しかけないほうがいいのか」がとても難しいのです。 その感覚は人それぞれだし、そのときの状態次第だったりもする。 だからこそ、「黙っておいて欲しい」と言った方は、必ず「あなたに対して不機嫌なわけじゃない」という合図を送るのが礼儀です。沈黙はいつだって、余計な心配を欠けることになってしまいます。 そして、切り替えのキッカケをちゃんと提示しましょう。 「もう大丈夫」「いつも通り話しかけても大丈夫」そんな合図を伝えます。
いつまでもこれがないと、なんだか家の中の空気が淀んで、冷戦状態になってしっているようになります。
心地よく健全な沈黙を楽しむためには、その前後にしっかりとした合図が欠かせません。
会話したくない夜も大切
夫婦の会話は言うまでもなくとても大切。ですが、話したくないときだって当然あります。 そんなときを、お互いが許容できるようになると、いいですね!




