恋愛ドラマが豊作!スナイパー小林が選ぶ、2018秋ドラマベスト3

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 恋愛ドラマが豊作!スナイパー小林が選ぶ、2018秋ドラマベスト3

2018.12.26

全体を見渡すと、恋愛ドラマの放送が多かった印象の秋ドラマ。ライターとしてエンタメ評を各所で書かせてもらっているけれど、私も元々はドラマヲタで女子。ただただ恋愛ドラマが大好物なので毎週ウハウハとしていたことを思い出す。『黄昏流星群』(フジテレビ系)では年の差恋愛に不倫愛。『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)では、コッテコテの激情型愛。ラストシーンが主人公たちの“これから”を彷彿させるシーンがあった『獣になれない私たち』(日本テレビ系)。そんなめくるめく愛情劇を繰り広げた秋ドラマから、ハマった上位3作品をピックアップ。あくまでも勝手な評価なので悪しからず。

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第3位『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)

あらすじ…若年性アルツハイマー病に犯されて、全ての記憶を失っていく間宮尚(戸田恵梨香)と真司(ムロツヨシ)、夫婦の物語。全体的にテレビドラマらしいなーと思わせる展開で、もっと言えば役柄がウイットに富んでいた作品なのかもしれない。

まずムロツヨシがあまりにもイケメンだった。それからかつて歌番組で涙を浮かべながらウエンツ瑛士とのデュオ『WaT』で歌っていた、爆甘フェイスの王子・小池徹平くんがキラー役で登場。TOKIOの松岡くんの役は、元婚約者の母親と結婚するという良い意味でエキセントリックな医者。そして戸田恵梨香のウエストが超人的に細くて毎回感動させられたっけ。さらに名バイプレイヤーと呼びたい木南晴夏が担当作家(間宮真司)のことを好きになっていた……とまあ、色々とネタが錯綜しているなーとゆるく観賞していたのに、なぜ3位に選んだかと言うと全ては最終回にある。

記憶を失った尚が家族の前に現れたシーン。我が子はおろか、母親のことも「初めまして」。生気を失った様子の娘の前で涙をこらえる母の姿に感情移入してしまった。私は母親ではないけれど自分の全てをかけて愛した存在に忘れ去られるとは、なんと酷いことだろうかと。そして若年性アルツハイマーも含めて、病気は容赦なく人生に侵食してくるのだということを思い知らされた。ドン、と背中を突かれたような気がする。そして尚と真司、二人のことを思ってアップルパイが無性に食べたくなった。

ムロさんの記事はこちらをチェック!

第2位『ブラックスキャンダル』(読売、日本テレビ系)

あらすじ…舞台はとある芸能事務所。5年前、身に覚えのない不倫スキャンダルに巻き込まれた藤崎紗羅が整形によって生まれ変わり、マネジャー矢神亜梨沙(山口紗弥加)として、かつての所属事務所に復活。自分を陥れた犯人を探す。

このドラマ、何が良かったかと言えば山口紗弥加の演技だ。この数年でヒール役、いやサイコパスとして出演する作品が全て面白い。記憶に新しいところでは『モンテ・クリスト伯 —華麗なる復讐-』(フジテレビ系)の入間瑛理奈役。前妻を殺害、家族の遺産の取り分を増やそうと狂気に満ちた刑事部長の妻役。ラストの自害していくシーンは衝撃的だった。

そして『ブラックスキャンダル』では、自分を女優の地位から蹴落とした犯人へ復讐心を燃やす役。先述の妻役とはまた違った悲壮感、それからかつての恋心にしがみつこうとする薄幸さがあったのだ。放送回の終わりではいつもどんでん返しを仕掛けてくるラスボス感も楽しかった。その絶頂が最終回に実は自分を裏切っていたかつての恋人をかばって、刺されるシーンだ。自分の口に毒を含んだままキスをして毒殺未遂をするとは恐ろしや。そして亜梨沙は妊娠していたという結び……。この人が登場すると何かが始まる高揚感をこの作品で再確認できたような気がする。また山口紗弥加に会いたい。

ストーリーは芸能界の真実と虚像の世界を行ったり来たりしていた。片岡鶴太郎のヨガシーンや『ハズキルーペ』のCMを思わせる演出には度肝を抜かれたけれど、深夜にニヤニヤして見るぶんには適温だった。ああ、でも『木更津キャッツアイ』(TBS系・2002年)で可愛かった、色白のミー子。それからCM『ファブリーズ』のママ役、平岩紙さんのヒール役は少し物足りなかったかも? ということで次回に期待しておこう。

第1位『中学聖日記』(TBS系)

あらすじ…教師の末永聖(有村架純)と生徒の中学3年の黒岩晶(岡田健史)が出会って、そして恋に落ちていく。10歳差、禁断愛は止まらない。

「ああ、小林さん、そうきましたか。『中学聖日記』を第一位に選びましたか」
そんな声が聞こえてきそうだ。今クール『今日から俺は!!』(日本テレビ系)と最終回に視聴率12%超え、世代を超えて愛される作品もあった。基本的に全て面白いと視聴しているけれど、毎週、仕事の域を超えて楽しんでいたのがこの年の差恋愛作品。教師と生徒というシチュエーション、『魔女の条件』(TBS系・1999年)以来の胸の高鳴りを覚えた。ええ、年下男子とどうのこうのした展開のある作品は大好物でございます。

放送中、いろんなシーンへ(勝手に)憑依した。役柄的には年齢を考慮して丹羽千鶴(友近)だろうか。聖ちゃんの

「あなたが15歳だから!」

と黒岩くんを突っぱねるシーンでは

「15歳だから好きになったんだよね?」

と突っ込む自分。黒岩くんが「先生」と危ういムードで呼ぶたびに、何故か私が泣きそうになっていた。テレビ局には内容に対してクレームがすごかったと聞いたけれど、サッセン……単純に女子トークの延長線上で楽しませてもらった。

ただそんな風にワチャワチャ視聴しながら、最終回で分かったことがある。確かにテーマは教師と生徒の禁忌だったけれど、私がこのドラマに見た本質はそこではない。この作品は一人の少年がどれほどたくさんの愛に包まれていたのかを示したヒューマンドラマだ。晶の母親は法的手段を使ってでも聖と息子を引き離した。それは息子に負担のかかる人生を歩んでほしくないからこその愛情。そしてその母性に気づいた聖の恋愛感情とは違う、大切なものを守るという愛情。他にもたくさんの想いが彼の周りには溢れていた。恋愛シーンばかりがフィーチャーされてしまうけれど、いつか見直す時にそんな感情にも触れてほしい。愛されているのはあなたも変わりがないから。

プロフィール
スナイパー小林/小林久乃
ライター兼編集者。ドラマヲタが高じてウエブ『マイナビニュース』『テレビドガッチ』でエンタメコラムを連載中。男性ファッション雑誌『2nd』にて「ちょっとどーなの?お洒落メンズ』にて辛口連載も。ついでに書籍や写真集もバンバン、ガンガンとディレクションする働き者。静岡県浜松市出身の独身。近況はツイッター@hisano_k

イラスト/榊原一樹

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