ナスのポリフェノール「ナスニン」は、がんや動脈硬化の予防効果で注目!
【いろんな料理に使えるナス】
これから旬を迎えるなす。煮物のほか、焼き物、揚げ物、浅漬けなど、どんな料理に使ってもおいしく食べられて、毎日の食卓に欠かせない夏野菜ですよね。
【ナスの栄養】
以前は、なすといえば水分ばかりが多く、栄養価の低い野菜と思われていましたが、現在ではポリフェノールが多いことで知られています。
ナスの皮には、特有のアントシアニン系色素のポリフェノールである「ナスニン」が豊富に含まれています。
ナスニンには、強い抗酸化力があり、がんや動脈硬化の予防効果が期待されています。このほか、老化予防や美容効果、眼精疲労の緩和にも効果があるとされ、注目されているんです。
さらに、ナスに含まれる成分は熱に強いため、加熱調理にも向いているんですよ。
傷がついているナスの方がポリフェノールが多い!?
【傷ものの方がポリフェノールが多いワケ】
傷がついたナスの方が、見た目がきれいななすよりも、ポリフェノールが多く含まれているという報告があります。傷がつくと、どうしてポリフェノールが増えるのでしょうか?
私たち人間も、けがをすると自然治癒力が働き、傷口を修復しようと膿が出ますよね。ナスも同じようなもの。我が身を守るため、傷口から雑菌が入り込まないよう、抗酸化作用の強いポリフェノールが新たに作られ、傷の周辺にたまるというわけです。
【ポリフェノールが多いと健康効果もアップ!?】
ポリフェノールの多いなすを食べることで、私たちの体内でも、その抗酸化作用が働いてくれることが期待されるのです。
なすを選ぶときは、見た目にばかり左右されないで
大量生産、大量消費社会である現代。農産物も、大量に輸送しやすいよう、箱にぴったり入るよう規格が決められ、同時に消費者の側も、傷や虫食いのないきれいな野菜を求めてきました。その結果、規格に合わないものは商品価値のないものとされました。味も栄養も劣るわけではないのに、何トンもの大量の野菜が廃棄処分されてきたのです。
今回紹介したなすのポリフェノールに関する報告を機に、食品業界でも傷物の野菜の価値を見直す動きが見られるようになりました。近年では、スーパーなどで傷のついたなすを見かけることもあります。
みなさんも、なすを購入するときはぜひ、見た目だけではなく、栄養のことを念頭において、選んでみてはいかがですか?
傷のついたなすに、ポリフェノールがこれほど多く含まれるとは驚きです。今後、なすを選ぶさいの参考にしたいですね。
監修/吉沼弓美子(管理栄養士)
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