「温度」「湿度」「空気の流れ」をコントロールできるスペースを見つけよう!
雨が続くと増えるのが、洗濯にまつわる悩みごと。毎日溜まっていく洗濯ものを、いつ洗って、どこで乾かしたらいいのか、迷う日々が続きます。
長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目で、テレビや雑誌、書籍などで家庭で実践しやすい洗濯法を伝えている“洗濯王子”こと中村祐一さんがおすすめするのは、「部屋干し」。中村さん自身、じつは一年中、部屋で洗濯物を乾かしているといいます。
「外干しにもデメリットがあると思うんです。紫外線で服が焼けて色が変わってしまったり、花粉やPM2.5や排気ガスなど外の汚れがつくこともある。また、天気や時間に左右されると、洗濯自体がおっくうになってしまいますよね。
だから僕は、1年中、部屋干しにしています。一年中、いつでも同じ条件で乾かせることで、洗濯が楽になると思うんです」
中村さんいわく、洗濯物を部屋干しするためにまず大切なのが、“条件”が揃っているスペースを見つけること。
「洗濯物が乾きやすい条件は3つあります。
まずは、“温度”。室温は高ければ高いほど、洗濯物は乾きやすくなります。
次に、“湿度”。湿度は低ければ低いほどいいです。
そして最後が、“空気の流れ”。空気が循環している、動いている状態であるほど、洗濯物はよく乾きます。
すべての項目が揃っている必要はなく、どれかひとつでもコントロールできる場所ならOK。まずは家のなかで、どこがもっともいい環境かを探してみましょう」
コスパがいいのは、“空気の流れを作る”こと!
「温度」「湿度」「空気の流れ」の3つの条件をコントロールすることが、洗濯物が早く乾くコツだと中村さんは話します。リビングでエアコンをつけたり、浴室で浴室乾燥機能を使って温度を上げてもよし、除湿機を使って湿度を下げてもよし。コスパ的におすすめなのが、「空気の流れを作ること」。
「そもそも洗濯物がなかなか乾かないのはどうしてかというと、洗濯物のまわりの空気が、これ以上水分を持てない状態になっているからなんです。だから、新しい空気を入れることで、洗濯物は乾きやすくなる。リビングでエアコンを点けておくよりも、コスパがいいのでおすすめです」
中村さん自身も、長年浴室で洗濯物を乾かしていたのだそう。
「浴室には換気扇があるから、新しい空気が入りやすい環境なんです。そのうえで、扇風機やサーキュレーターを使って、浴室内で空気が循環するようにしていました」
扇風機やサーキュレーターを使うときは、
①洗濯物に直接、風を当てる
②浴室の入り口付近において、新鮮な空気が入りやすくする
ようにするといいとのこと。
「洗濯物に風が当たると、物理的に水分が飛ぶので乾きやすくなります。洗濯物の水分は、重力で下へ下へと降りてくるので、水分が溜まりやすい洗濯物の“下”の部分に当たるように、首振りに設定して回すといいですよ。さらに扇風機やサーキュレーターを浴室の入り口付近に置くと、新鮮な空気が入りやすくなって効果的です」(中村さん)
教えてくれたのは、洗濯家・中村祐一さん
1984年3月1日生まれ。
長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯でセカイを変える」という信念のもと、日本中の家庭に洗濯を伝え続ける、日本を代表する洗濯家。多くの人がイメージし日々行っている洗濯は「洗濯風」だと説き、家庭における「洗濯」という文化の再定義に取り組む。これまでにのべ3000人を超える人々、芸能人、一部上場企業などへも洗濯に関するアドバイスを行う。
2014年には、洗濯教室を開催するための「センタクスタジオ」を、2018年には洗濯しやすい導線を追求した洗濯が主役の家「センタクアトリエ」を開設。2019年には、着る人、洗う人の個性にあわせて、さまざまな洗濯がデザインできるようなオリジナル洗剤を開発・販売。
梅雨どきでも、そうでないときも、部屋干しの最適スペースが見つかると、洗濯のストレスが少なくなりそう! あなたの家の“ベストポジション”はどこか、ぜひ探してみましょう!
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