「匿名性」によって人の人格は変わる?優しい人が悪魔に…。【脳科学者に聞いた!vol.25】

カルチャー

2019.06.07

今や、インターネット上では当たり前になっている「匿名性」。人の目を気にすることなく、自由にものが言える反面、ある恐ろしさもあるといいます。

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どんな人でも悪魔に変える──。それが「匿名性」です

 私たちは、人からの復讐を恐れます。自分の言動によって誰かを怒らせリベンジを受けることを嫌うため、名前や身元が明らかになっている状況では、本音を隠し慎重に振る舞います。
 その分、匿名性が与えられると一気にタガが外れ、人が変わったようになるケースも多いのです。
 インターネット上で極めて口汚く批判行動を繰り返している人の中には、普段は他者からの尊敬を集めている優れたビジネスパーソンも多くいます。
 しかし、あなたの周囲の人たちが、匿名性を付与された状態で何をしているのかを知ろうとする必要はないでしょう。それを知るのは困難ですし、知ってしまえば人間不信に陥るだけです。
 ただ、「人とはそういうものなのだ」ということは理解しておいたほうがいいでしょう。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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