思慮に欠ける「困った」人たちの原因は、性格ではなく脳にある
人間がなんらかの判断を下すときには、主に脳の2つのシステムが使われます。
一つが、物事を迅速に判断する「Xシステム」と呼ばれるもの。私は「反射システム」と言っています。
もう一つ、「Cシステム」というものがあり、この言葉はCalculation(計算)からきています。こちらは、長期的な視点に立って物事をより正確に合理的に判断するシステムです。「熟考システム」と言ってもいいかもしれません。
よく考えずにヤジを飛ばして後から大問題に発展する政治家や、ネット上の一方的な意見にすぐに賛同して拡散する人などは、Cシステムが弱く、Xシステムが稼働しやすいのです。
思慮に欠ける困った人たちは、性格のせいではなく、脳がそうさせているわけですね。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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