人間の脳は身内びいきをしたがる構造になっている!【脳科学者に聞いた!vol.57】

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 人間の脳は身内びいきをしたがる構造になっている!【脳科学者に聞いた!vol.57】

2019.09.03

何かにつけて群れたがったり、身内びいきをしたりする人がいます。脳科学的にみると、これは人間として当然のことだといいます。

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人間は本能的に群れたがり、身内びいきをしたがる生き物です

 心理学における有名な実験に、「青シャツと黄シャツの実験」というものがあります。
 6歳から9歳の子どもを、青いシャツと黄色いシャツを着た2つのグループに分け、試験の平均点を競わせたり、何かにつけて「青シャツを着ている○○君」と呼びかけたりと、それぞれがどちらのグループに属しているかを常に意識させるようにした実験です。
 そうした日々を過ごして1か月後、「2つのグループが競争したらどちらが勝つと思う?」と聞くと、67%が「自分たちのグループ」と答えました。また、「グループ替えをするとしたら次はどっちのグループに入りたい?」と聞くと、8割以上が「今のグループがいい」と答えたのです。
 こうした身内びいきを、専門用語で「内集団バイアス」と言います。もともと人間は集団を形成し、ほかの集団と戦ってきたわけですが、そのときに根拠のない優越感を感じられたほうがモチベーションが上がり有利だったために、進化の過程で内集団バイアスがかかりやすくなったのでしょう。
 ですから、何かにつけてつるみたがる人間は、種としての本能に忠実だとも言えるのです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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