人の名前が思い出せないのは記憶力が落ちているのではなく、記憶したデータの検索に時間がかかっているだけ
押入れの中に、たくさんのものを詰め込んでしばらく出し入れせずにいると、一体どこに何をしまったのかまったくわからなくなってしまうことがあります。
これと同じことが脳にも起こります。
「えーと、あれ、あれ......」と固有名詞が出てこないのは、それがデータとして入っているのは確かなのだけれど、どこに入っているのかわからなくなっているから。検索に時間がかかっているからです。
ここで、面倒になって、あるいは気の毒になって、「もう、いいよ」とストップをかけてしまえば、ますます「出し入れされない押入れ」になってしまいます。多少時間はかかっても、検索する機会を多くしてあげたほうが親切と言えます。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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