「努力できる」のも生まれつきの才能!?【脳科学者に聞いた!vol.62】

ライフスタイル

2019.10.11

一つのことで成功する人と、そうでない人は、何が違うのか? 脳科学の研究から導き出された結論とは?

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「努力できる」か「努力できない」かは、生まれつきの才能でほとんど決まってしまうのです

 コンサートで生計を立てられるような優れた音楽家と、そうではない一般的な音楽家には、どのような違いがあるのかを調べた研究があります。
 その結果、大きく違ったのは練習時間でした。優れた音楽家は20歳になるまでに平均約1万時間を練習に費やすのに対し、一般的な音楽家はそれより数千時間も少なかったのです。
 また、遺伝子がまったく同じ一卵性双生児と、遺伝子の半分を共有する二卵性双生児を比べると、努力できるタイプかどうかは、一卵性双生児のほうが一致している割合が高い、つまり、遺伝の影響を大きく受けていることもわかりました。
 こうしたことから、優れた音楽家は、高い評価を獲得するために必要な長時間の練習ができるよう、あらかじめ遺伝子にプログラミングされているという結論が導き出されました。
 一つのことで成功するには、才能に加え、並外れた努力が必要だというのは誰もが認めていることですが、そもそも、その努力ができるかどうかすら才能によるところが大きいのです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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