大都市に暮らすエリートより、地方都市のマイルドヤンキーのほうが生命体として強い
車離れや晩婚化、少子化に象徴される大都市の若者とは対照的に、生まれ育った地元を愛し、地元のショッピングモールにたまり、多くの時間を地元の仲間や家族と過ごす。そんな人たちを「マイルドヤンキー」と呼びます。大都市に暮らすエリート層が、地方都市の若者たちを揶揄しているようにも聞こえます。
しかし、彼らはコミュニティの中で巧みに生きていける力強さを持ち、少ない収入で生活を楽しむ方法を知っており、周囲には助け合う協力者がいます。
一方で、都会に暮らすエリートには、それがありません。
もともと、都心のマンションでは、コミュニティをつくらなくても一人で生きていけます。コンビニを自分の冷蔵庫代わりにして暮らすことも可能です。
しかしそれは、ひとたび電気・水道などのインフラや、コンビニをはじめとするサービスが機能しなくなったときに、生命維持すら難しくなることを示しています。
それに、遺伝子をしっかり残している子だくさんのマイルドヤンキーのほうが、生命体としての力が強いことは歴然。
都会に暮らすエリートに憧れる気持ちなど、実に根拠が怪しいのです。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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