日本人は「熱しにくく冷めにくい」!?【脳科学者に聞いた!vol.102】

ライフスタイル

2020.02.17

「恋愛できない」人が多いという現代社会。この理由は、日本の国民性にもあるといいます。

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ドーパミンの必要量が少ない日本人は、「熱しにくく冷めにくい」

 先に書いた、恋愛に対して脳がブレーキをかけていることに加えて、もうひとつ恋愛できない理由があります。それは、「あえて恋愛しない」と決めているからで、要は「いまのままで幸せだから、別に恋人がいなくても、結婚しなくてもいいかな」と考える場合です。
 これもひとつの選択であり、けっして責められることではありません。ただ、こうした考え方をするタイプが、日本人の特徴的に多いことをご存知でしょうか。
 人間が恋愛などで行動を起こすときに大きな動機となるのが、快楽物質と呼ばれる「ドーパミン」の働きです。なんらかの刺激を受けると、このドーパミンが脳に分泌されることで快感や幸福感が得られます。
 そして、脳のなかには、ドーパミンを受け取るための「DRD4」というレセプター(受容体)があります。この「DRD4」にはいくつかのバリエーションがあり、簡単にいうと、「DRD4」のサイズが長ければ、快楽を得るためにドーパミンを大量に必要とします。これが、いわゆる「熱しやすく冷めやすい」タイプです。
 ただ、このタイプは日本人には1%程度しかいないといわれており、残り99%のうち、約6割が「DRD4」のサイズが短く、約4割が中程度の長さになります。
 つまり、日本人の大多数はほかの国々と比べて、少しの刺激で満足しやすい「熱しにくく冷めにくい」タイプだということ。こうしたことからも、「恋愛できない」人がかなりの割合でいると推察できるのです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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