「塾」でも「習い事」でもない! 最新「学び」のサードウェーブ
今「学び」の世界に新しい波が起こっています。
従来の方法のように机に向かって取り組むのではなく、手法やツールにとらわれない「学び」の波です。
今までの学習法と言えば「学習塾」をはじめとした、受験勉強や成績向上のための学びであったり、ピアノや絵、水泳などの学力とは別の軸の力を育む「習い事」での学びが主でした。
そういった2つの大きな潮流に対して、今新しく来ている波は「学び続けることが大切なこれからの時代に必要な力や姿勢を育むことを目指す新しい波」です。
これをこの連載では「学び」のサードウェーブと名付けてみました(完全にコーヒー業界のネーミングにあやかっています 笑)
「塾」でも「習い事」でもない、新しい形の「学び」にチャレンジしている人や場、サービスを、毎回1つ取り上げてお届けしていきます。
自宅にいながらゲームと動画で探究学習!タンキュークエスト
自宅に届くのはドリルでもテキストでもなく・・・
子ども達の興味や主体性をベースにした探究学習は近年、急速に注目を集めています。「塾」の中にも、今までのような受験指導や教科指導は行わず、独自のカリキュラムで教科の枠にとらわれないものも増えてきました。
そんな中、今回ご紹介するタンキュークエストの特徴は「自宅」にいながら取り組める通信型教育サービス。自宅に届くものはドリルでもテキストでもなく、なんと「ゲーム」!様々なテーマについての理解が深まるオリジナル開発のゲームが毎月届きます。
農民の気持ちに共感し、悪い国司に憤慨する小学生
例えば「田んぼウォーズ」というゲーム。これは、奈良〜鎌倉時代までの、農民の立場になって、田んぼをせっせと増やしていくカードゲームです。
しかし、時代ごとに発動するカードやその時々のリーダーによって理不尽に田んぼが奪われる場合も。
プレイしながらあまりの理不尽に「ひどい!」と怒りだす小学生。でもこの「ひどい!」と思う気持ちこそが、大切。教科書でどれだけ租庸調、班田収授法、墾田永年私財法といった子どもにとって(大人にとっても?)呪文のような言葉を聞いても、なかなか興味は湧いてきません。
しかし、「ゲーム」で当時の農民の気持ちを擬似体験すると、いきどおったり、新しい法律に喜んだり。歴史上の出来事に対して「感情」が動きます。
そうやって一喜一憂しながらゲームを進める中で、気づけば昔の税制や武士の誕生の背景についての理解が深まっていきます。
さらに、LINEやオリジナルアプリ、DVDで届く実験やクイズ動画など、色んな角度から子どもの興味関心を引き出す仕掛けがたくさん。
【interview】競争の道具だった「勉強」から、「学ぶ」ことの楽しさに大学で気づいた
――タンキュークエストをはじめられたきっかけをお聞かせいただけますか?
設立メンバーは4人いて、それぞれの想いも違うのですが、私の場合は小学校から大学までの経験が大きいですね。
――どのような小中高時代だったのですか?
とにかく治安が悪い地域で(笑)学力も本当に低くて。私は今思うと「普通」だったのですが、小学校ではダントツで優等生。自分を「天才」と思っていました(笑)
でも中高で私立に行くと、みんな僕よりできる。成績は下から二番目。そこでどんどん学ぶ意欲が失せました。
今思うと、小学校時代は評価してもらえるから学ぶ意欲があって、中高ではそれがなくなったから意欲がなくなったのでしょうね。
――「学ぶ」ことは競争の道具だったと。
その通りです。その後、大学に進学はしたのですが、やる気がなくギャンブル漬け(笑)そんな中、ある教授の授業に衝撃を受けました。
――どのような内容だったのですか?
三品和広先生の経営戦略の授業なのですが、経営戦略を化学で語るんです。
界面活性剤の化学式を解説しながら、花王の経営戦略と関連づけて読み解いていくとか。全然 違いそうなジャンルを深掘ることで、別のジャンルの学びが深まっていく。
なんて面白いんだと思いました。初めて「学び」そのものの魅力を知った瞬間ですね。
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