叩いてしまった、その時はどうなる?どうすればいい?
今回の体罰禁止がスタートしたことによって、「叩いたらすぐに児童相談所に通報されちゃうの?」などと心配する方がいるかもしれませんが、体罰禁止のスタートによって罰則が強化されたということではありません。
もちろん、今までも親が叩く殴るなどして、子どもがけがを負ったりしたら、児童相談所や警察に通告されていましたから、そこは今まで通りと考えていいでしょう。
体罰で子どもをコントロールしない子育ては、子どもの気持ちも親の気持ちも大事にしながら、お互いに折り合いをつけて建設的に困りごとを解決していく成熟した子育て。子どもが自分で考え行動していかれるように自立(自律)を応援していく対応のしかたです。
リーフレットには、子を育てる親へのアドバイスとして下記のようなことが記載されています。
・子どもに対して否定的な感情が生じたときには、子どもの言動だけに注目するのではなく、自分の体調の悪さや忙しさを振り返ってみましょう
・リフレッシュも大切です。深呼吸したりゆっくり5秒数えたりして気分転換しましょう
子どもにイラっとしてしまうのは、当たり前のこと。目の前の子どもにぶつけないように、自分のマイナスの気持ちを手当てしたり、コントロールできるようになるといいですよね。
親だけが頑張るのではなく、社会全体で子育てを!
さらにガイドラインには以下のように書かれています。
子どもが健やかに成長・発達するためには、体罰等に対する意識を一人ひとりが変えていかなくてはなりません。同時に、保護者が孤立せず、子どもが育ちやすい社会であるために、体罰等を容認しない機運を醸成するとともに、寛容さを持って子どもの成長に温かいまなざしを向け、社会全体で子育てを行っていく必要があります。出典:www.mhlw.go.jp
まとめると下記3つのことが大事だということです。
- 子どもへの向き合い方を変える(叩いたり怒鳴ったりせずに子育てする)こと
- 子どもへの向き合い方を変えることを親だけでなく社会全体の認識にすること
- 親が孤立することなく子育てを社会全体で支えなければならないということ
子どものためにも、親自身のためにも、体罰によらない子育てが広がることで生きやすい世の中になるのではないでしょうか。ぜひ、体罰によらない子育てを広めていきましょう。
教えてくれたのは……高祖常子さん
高祖 常子(こうそ ときこ)さん子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。
資格は保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級ほか。
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、ほか各NPOの理事や行政の委員、「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」(厚生労働省)構成員(2019年)も務める。子育て支援を中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。
著書は『こんなときどうしたらいいの?感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。3児の母。
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