ネット授業は先生も大変。ベッドで受けるツワモノも!?
幼・小・中・高、そして大学まで、フランスで全国的な休校が決まったのは、日本より少し遅れた3月12日、木曜でした。
夜8時のニュースで大統領が説明し、翌週からの休校を発表したのですが、我が家の中学生は大喜び。早速友達同士、スマホで喜びを分かち合ったりしていました。
先生方はきっとこの休校前の1日、嵐のような忙しさだったと思われます。教科書や資料などを持ち帰り、ネット授業の準備に励まれたことでしょう。
うちの子の学校は公立の中学校なので、システムは地域の教育委員会のものに沿っています。が、授業時間数は学校によっていろいろだった様子。
普段の時間割通りに授業が行われるのかなと、親としては期待していたのですが、蓋を開けてみたら、うちの子の学校は、授業は1日1コマだそうで…
ちょっと少ないんじゃないの? とは思ったものの、ものごとがスムースに進まないフランスで、こんな緊急事態に対応してもらえるだけでもありがたい… という気持ちで子どもとパソコン前に待機。ですが、予定の第一日目は残念ながら何も見えずでした。
すぐに校長からメールが届き、ネット授業は来週から、と変更に。さすがに1週間がたち、先生の声が聞こえたときは、ちょっとした感動を覚えました。
フランス国内でも地域や学校によって色々なやり方があるようですが、うちの子の学校の授業は、パソコン画面には板書がわりのスペースが表示され、先生も生徒も顔は見えません。
これは朝、寝起きでそのまま授業に出ても問題ないという気軽さでいいなと思う反面、日本では、きちんと制服に着替えてパソコン前に座るという決まりのある学校もあると聞いて、これでいいのか? とちょっと気になったりもします。
授業のあとに友達に電話をしたら「授業を聞きながらごはん食べてた!」なんていう子や「ベッドの中でスマホで聞いてた」なんていう子もいたりして、中学生ってやつは! と思いますね…
また、先生のお顔が映るシステムの学校では、先生の子どもが後ろでいたずらをして映り込んだりと、楽しいアクシデントも起きたりも。こちらは先生のお顔が映るタイプのネット授業のようです。
宿題印刷で自宅プリントの嵐、インクのストックが…
さて、そんなネット授業で意外と大変だったのが、宿題を印刷するプリンターのインクです。カラーの資料などもバンバン送られてくるので、見る見るインクが減ってしまうのです。
フランスは、スーパーや薬局などへの買い物はOKでしたが、自宅から1kmの範囲内など外出制限が厳しかったので、なかなかこのプリンターのカートリッジの買い出しが難しかったですね。
お隣のイタリアで外出制限が出てから、きっとフランスも…と思い、多少のものは買い置きをしたのですが、プリンターのことまでは考えが及ばずでした。もう、いまから日本の皆さんに…などと言っても遅いかと思いますが、休校までならなくとも、これからは必ずカートリッジを忘れずにストックしておこうと思いました。
ちなみにこの宿題プリント、我が家のプリンターが日本語仕様なので、日本語が苦手なうちの子は、全部私に頼んでくるのですが、生物の授業で、子どもがお母さんのお腹から出てくるときの状態はどれ? などと、なかなか興味深い問題があったり、ふだんだったら目に入らないプリントをたくさん見ることができる、意外と良い機会でした。
国全体での在宅受講システムも完備されて
このように、学校単位で先生が授業をしてくれるシステムのほかにも、国民教育省の教育施設「CNED(フランス国立遠隔教育センター)」という、義務教育から大人の通信教育的なものまでネットで受講できるシステムが整備されたり、国営テレビなどで学習番組が毎日放送されたりと、子どもの教育に関しては、国の動きも早く、比較的安心でした。
ただ、それでもふつうに登校できる状態に比べたら、きっと学習範囲の遅れや抜け等は後から響いてくるのかもしれません。
「私立の有名校では毎日きちんと時間割通りに授業がある」などとウワサを聞くと、うちの子のゆるみきった状態に不安もよぎりますが、まあこんな期間も一生に一度あるかないかということで、親子ともにあまり無理せず、乗り切れたらいいなと思っています。
さて、そんな中ですが、感染者の少ない地域では、5月12日から幼稚園と小学校が、18日からは中学校の4学年のうち年少の2学年が、希望者のみ登校を再開しました。我が家はパリ郊外、感染者のまだ多い地区なので、もしかするとこのまま夏休みで、再開は9月かも… という状態でしたが、6月の第1週から、公立の学校は週2回、希望者のみ登校となりました。
この不思議な期間中、学校の勉強はボチボチでも、家事やネットのリテラシー、お金のことなど、学校では学べないことを学ぶ良いチャンスと捉えて、見守るしかありませんでしたが、終わりが見えればちょっと寂しい気持ちにもなります。
中学生持ちの家庭はこんな感じでした。子どもが小さいお宅はもっともっと大変なことが多かったと思いますが、6月に入れば日本もフランスも、ちょっと一息つけるでしょうか。
コロナ時代を生きる子どもたち、大きくなったときに、この期間をどう振り返るのか、いつか聞いてみるのも楽しみです。
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