生理前にイライラしてしまう原因
PMS(月経前症候群)とは、生理前に3~10日間続く精神的な不調や体調不良で、生理がはじまると改善するものをいいます。
PMSのイライラの原因はまだはっきりとはわかっていませんが、月経周期の女性ホルモンの変化が影響していると考えられています。
月経周期が28日の女性の場合、排卵が起きるのはちょうど月経(生理)が始まる14日前です。この排卵を境にして、女性の体の中では、エストロゲンという女性ホルモンが急に減少します。エストロゲンが減少すると、精神の安定に関わる、別名「幸せホルモン」といわれる脳内のセロトニンが低下して、うつやマイナス思考など気持ちが不安定になってしまいます。
つまり、PMSのイライラは、生理が順調で卵巣も健康だからこそ起きてしまうともいえますね。
PMSは、ホルモン分泌が活発な30代の女性に多いと言われています。特に、出産経験のある女性には、生理前のイライラやメンタル的な不調が多く見られます。
30代といえば、子育てに仕事にと忙しい時期ですよね。日々の生活に追われるうちに、知らないうちに疲れやストレスが溜まってPMSの症状が悪化するということもあります。
気持ちが不安定だと自分もつらいですが、家族との関係が険悪になるのも嫌ですよね。生理前の期間限定の不調だからと我慢せずに、改善していきましょう!
カフェイン入り飲み物を控えよう
情緒不安定になっているのは、神経が緊張したり、興奮している可能性もあります。カフェインは、PMSの不安やイライラを悪化させることもあります。コーヒーや紅茶、栄養ドリンクなどカフェインの入っている飲み物の摂り過ぎには気をつけましょう。リラックス効果のあるカモミールなどノンカフェインのハーブティーを飲むのもおすすめです。
アロマの香りでリラックス
アロマの香りは、脳をリラックスさせて、イライラや不安定な気持ちを落ち着かせてくれます。生理前には、ローズやクラリセージ、ゼラニウムといったアロマがおすすめです。ティッシュにアロマオイルを1、2滴落として香らせると簡単にアロマを活用できます。
PMSのイライラの病院での治療法
婦人科では、PMSのイライラの治療として経口避妊薬(ピル)がよく使われています。ピルを飲んでいると女性ホルモンの変動を抑えることができるので、イライラだけでなく、PMSの様々な不調が改善されると考えられているからです。ですが、妊娠を希望する場合や吐き気や頭痛などの副作用でピルを服用できない場合もあります。
漢方薬で生理前のイライラを解消!
「イライラを緩和したいけれど、ピルは副作用が心配…」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方薬は私たちの身体が本来持っている代謝の力や免疫の力を高めるように作用してくれるものです。西洋薬よりも副作用が少ないとされておりますし、対症療法ではなく、体質自体の改善に働きかけるため、根本的な解決につながります。同じ症状を繰り返したくない方に最適です。
医薬品として効果が認められた漢方なら、毎日飲むだけで効果を実感できるので、手間なく気軽に継続できますね。
さらにイライラだけでなく、PMSの様々な不調の改善もあわせて期待できますよ。
<イライラの症状に使用されることが多い漢方>
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
不安やイライラ、便秘、婦人科系の不調などによく使われます。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
イライラや不安、頭痛、肩こり、のぼせによく使われます。
漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶ事が大切です。体質に合っていない場合は、効果が出にくかったり、逆に副作用が出ることもあります。購入時にはできる限り漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談ください。
自分に合った漢方薬が知りたいけど、近くに漢方専門薬局がない…という方には、インターネット上で漢方の専門家に相談できるAI漢方もおすすめですよ。
生理前のイライラを漢方でやさしく解消!
生理前のイライラは漢方で和らげることができます。女性は家族の太陽です!毎月のことだからしょうがないと我慢せずに、心と体にやさしい漢方で家族みんな元気な笑顔で過ごしていきましょう!
教えてくれたのは 薬剤師 清水みゆきさん
漢方薬・生薬認定薬剤師 清水みゆき
JAMHA認定ハーバルセラピスト
製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康つくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。
現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、漢方やハーブの通信講座の運営や、セミナー講師としても活動中です。
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