働くママの葛藤|乗り越えられたのは「ルーティンワークよりチャレンジワーク」という考え方

ライフスタイル

2020.07.12

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ルーティンワークよりチャレンジワーク

私がラッキーだったことは、復職した際に理解のある上司がいたことです。その上司は男性で当時は子どももいなかったですが、「子どもの病気で休みます」という電話をしたときに「なんで謝るの? 別に秋庭ちゃんのせいじゃないんだから謝らなくていいよ」と言われたことがあって。それでもやっぱり謝るんですけど、そういうスタンスにとても救われました。

時短勤務のママは今まで責任ある仕事ができていたのに、そうではないルーティンワークを与えられてしまう話はよくありますよね。でもその上司は「ルーティンワークより、チャレンジワーク」という考えを持つ方でした。

例えば、当時新卒採用をしていた私に上司が「起業マインドのある学生に会社のブランドを認知させたい。会社のブランド力を上げることをして」という仕事を振ったことがありました。すごいざっくりですよね。何から手を付けていいのという仕事でしたが、当時の私は学生のビジネスプランコンテストをやっている団体のスポンサーになって、ビジネスプランを考えている学生に会社名を認知してもらったり、学生の起業家を集めたアワードを企画したりしました。

自分で考えた仕事だと自分でスケジュールを組めて、自分の裁量でできることが増えます。イベントなど日程が決まっているものは違いますが、それまでに至ることが多少遅れたことで致命的なミスにならない。そしてそれが成功したときに成果として評価されやすい。私の上司はルーティンワークより、そういったチャレンジワークのチャンスを私に与えてくれたのです。

チャレンジワークなら短時間でも成果を出すことができたし、成果を積み重ねていくことによって自分の自信につながります。私が会社を作ろうという気持ちにまでなれたのは、そういったチャンスを与えてくれた上司の影響が大きかったと思います。

時間制限のあるママがキャリアアップをしていくためには

時間制限のあるママがキャリアアップをしていくのは大変なことですよね。私の場合は普段休みがちな分、他の人のルーティンワークまでやるつもりで仕事していました。

また、働く時間が短い分成果にはこだわっていました。普段やるべきことをやりつつチャレンジワークでも成果を出すと、時短勤務だからその仕事をやらせてもらったのではなく、能力があるからやらせてもらったという評価になり、自分の自信にもなります。

職場復帰後、責任のない仕事ばかりでやりがいを感じられず、仕事に後ろ向きになってしまうこともあると思います。でも誰もがやりがいのある仕事を最初から与えられるわけではなく、それをやりがいのある仕事に変えるのは、自分自身だと思うんです。

与えられた仕事をそのとおりにやるだけでなく、例えばエクセルの表を少しでも使いやすくしてみるなど短時間でできる改善をやっていく。どんな仕事でもそういった改善する余地や楽しむポイントはあると思います。まずは自分に与えられた仕事の中で、少しでも改善点ややりがいというのを探しながら楽しんで成果を出す。それが次の仕事につながっていくと思います。

お話を伺ったのは……

株式会社LIFULL FaM 代表取締役
秋庭 麻衣(あきば まい)

株式会社ネクスト(現株式会社LIFULL)に新卒で入社し、不動産・住宅情報サイト「HOME'S(現LIFULL HOME'S)」の営業を経験。社内第1号となる産休・育休を取得し、復職後に経営陣に自ら新たな子育て支援施策を提案し、社内制度を立案。時短勤務を続けながら人事部で新卒採用や人材育成を担当し、管理職としてメンバーのマネジメントを経験。
仕事と子育ての両立で直面する問題を解決したい、という強い思いから2014年10月にネクストから100%出資を受けて「LIFULL FaM」を設立。ママが子連れで働き、スキルアップする「ママの就労支援事業」を運営。現在、東京都目黒区と福井県鯖江市、宮崎県宮崎市にオフィスを展開。

理解ある上司の存在がキャリアに大きな影響を与えたという秋庭麻衣さん。次回は仕事と育児の両立をしていく上で大切だと思う考え方を伺います。お楽しみに!

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著者

mamiWaka

mamiWaka

語学系出版社でワーキングマザーを経て、現在はフリーのライター・編集者。分かりやすく読みやすい、役立つ記事を目指しています。

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