「家が狭い」「モノが多い」「時間がない」それでも住まいをすっきり保つための“片づけ マインド”とは?

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モノの総量を「バーター」でコントロールする

夫の包丁コレクション。少しずつ増え、気づけばこの数に

シンク上に吊り戸棚がなく、収納スペースが限られている自宅のキッチン

狭い家に住んでいて、片づけのコンサルティングをしているというと、「ミニマリストなんですか?」と尋ねられることがあります……が、違います。それどころか、自宅に取材にいらした編集者さんに「さいとうさんち、モノが多いですね」と、よく驚かれます。

たしかに、ナイフ類は用途別に10本あるし、フライパンは素材違い、サイズ違いで6個あります。外遊び用のおもちゃは、キックボードにリップスティック(2輪のスケートボード)、大型ジープのリモコンカー、虫取りアミにサッカーボール、バットとグローブ、キャンプ用のテントやテーブルもあります。

なぜ狭い家でこれほどのモノが持てるかというと、その秘密は「バーター」です。

バーターとは、もともと英語で「物々交換」という意味なのだとか。ビジネスの場では、現金を介さずモノやサービスを交換することを「バーター取り引き」といったりしますよね。

わが家では、思い入れの強いものを持つために、思い入れのないものをバーターで手放すというモノの持ち方をしているのです。

たとえば、ナイフやフライパンは料理好きな夫に強いこだわりがあるため数多く持っていますが、炊飯器やトースター、コーヒーメーカーといった家電にはこだわりがないため、そのバーターで持っていません。

子どもの外遊び用のおもちゃは、「外で思いっきり遊んでほしい」という親のこだわりでたくさん持っていますが、室内遊び用のおもちゃとあわせて「ひとつ増えたら、ひとつ手放す」方式のバーターで、総数が増えすぎないようにしています。

「家が狭いから全方位的にモノを減らさなくてはならない!」と考えると、なんだか寂しく感じますが、「大好きなものを持つために、バーターでモノの量をコントロールする」と考えると、モノの整理がちょっと楽しくなったりしませんか?

片づけにかけられる「時間」を意識する

収納用品として人気の高い「無印良品」のファイルボックス

狭くても自分の家が大好きになり、モノの量をバーターでコントロールできるようになったら、あとはモノをいかに収納していくか、というテクニックのハナシになってきます。

多くの雑誌や本、ウェブメディアなどで紹介されている「片づけ」は、この「テクニック」にフォーカスしています。けれども、取り上げられている事例は、あくまでも「その人」にとってのベストだという点に注意しないといけません。

たいていの場合、片づけ収納テクを披露している「その人」は、片づけが得意で、収納が大好きで、苦もなく丁寧な暮らしをしています。ちょっとヒガミっぽく聞こえるのは、わたし自身、丁寧な暮らしに憧れつつ、それを実現する技量がないから、なのですが……。

よく見かける片づけ収納テクは、たとえば

・白いファイルボックスを並べ、日用品のストックを収める
・調味料一式を、揃いのボトルに詰め替える
・取り扱い説明書を一冊ずつ、クリアファイルにはさむ

……など。

収納スペースの中にズラリと揃いのボックスを並べ、シャンプーや歯ブラシなど、生活感をかもし出す日用品を隠しておければ、見た目はすっきりします。

けれども、どこになにが入っているかわからない状態では、ストックが切れるたびに家族から「あれどこ〜?」と尋ねられること必至。家族に中身を理解してもらうため、ラベルを貼るひと手間が求められるし、中身が変わった時にはラベルを更新する手間もかかります。

一方で、見た目は多少ごちゃついても、半透明のボックスや中身の見えるカゴを選べば、どこに何が入っているかは一目瞭然。ラベリングに時間をかける必要はなくなるかもしれません。

片づけはモノを収めた瞬間に終わるのではなく、暮らしが続くかぎり、それを維持するための時間がかかります。日々の片づけ以外にも、やりたいことがたくさんあるなら、自分がそこに費やせる時間を意識して、モノや収納と向き合うことが大切だと思います。

まとめ

テレビを持たず、モバイルプロジェクターでスペースを節約

理想の住まいを、一日や二日で手に入れることはできません。でも、日頃から“片づけマインド”を意識して暮らしていれば、狭い家でも必ず、少しずつ、理想に近づくことはできます。

この連載では、そのTIPSを共有していく予定です。よろしければ、次回もチェックしてみてくださいね。

 

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

さいとう きい

さいとう きい

東京都心の60平米、2LDKに夫婦+小2男子+愛犬1匹の4人暮らし。 ニューヨーク・サンフランシスコ・ホーチミン・横浜・東京など、世界各地の60平米以下の小さな部屋で暮らしてきた経験を元に、「スモールスペースを最大限に活用して、狭くても快適な暮らし」を提案しています。

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