家事を自発的に取り組むにはステップが必要!
そもそも自発的であるためには何が必要でしょうか。
心理学では「自己決定理論」という理論があります。これは「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の関係性を示した理論です。
といってもちょっとわかりにくいですね。簡単に言うと自分から「やるぞー!」という気持ちになるのが内発的動機づけ。「お小遣いあげる!」と報酬や罰則で動かすのが外発的動機づけです。
この動機づけですが、お小遣い、褒め言葉、罰則などの外敵動機づけから段々、「色々やってみたい」という内発的動機づけへと段階を追って進んでいきます。通常5段階を経ていくのですが、ここではわかりやすく3段階で家事シェアの自発性を考えてみたいと思います。
ステップ1(外的調整):褒める、喜ぶ、感謝を伝える
ステップ2(取り入れ・同一化・統合)):家事を自分ごととして役割として捉えはじめる
ステップ3(内発的動機づけ):自分たちの暮らしに興味関心をもって楽しみはじめる
まずは「褒められるからやる」というような全然自発的じゃないけど、やってくれるという段階があります。そこからそれが「自分がやることだからやってる」というように褒められるとかじゃなくて、自分のことでもあるからやっている、という段階に。ここまで来るとずいぶん自発的に取り組むようになります。家事の主体になっているママも「自分がやらなきゃいけないからやる」というステップ2という方は多いかと思います。
そこから「暮らしに興味を持ち始めてきた!」という家事にこだわりを持ちはじめる段階へとステップアップすることもあります。
インテリアにこだわったり手作りで味噌作りをしたりと興味が膨らんでいったらステップ3です。
自発的になるための3つのポイント
では、どのようにしてステップを踏んでいけばいいのでしょうか。
そのためには、3つのポイントがあります。
ポイント1:有能さ
ポイント2:関係性
ポイント3:自律性
さて、それではここからがいよいよ本題です。どうやって家事シェアの自発性を高めていくのか、その方法をご紹介しましょう!
ポイント1:“有能さ”を刺激する
人は自分が有能なんだ! 役に立ててるんだ! と思えるとモチベーションがググッとあがります。
ですので普段のコミュニケーションでは「褒める、喜ぶ、感謝を伝える」を意識するといいでしょう。
家事スキルが低い時点では褒めポイントもわりと見つけやすいと思います。このときのポイントは「自分と比較して褒める」のは要注意ということ。それよりも「このまえ作ってくれたよりも手際よくなったんじゃない?」とか「お願いしてないのにやってくれて本当に助かったー」などパパ自身のビフォーアフターでコメントをしてみましょう。
また、可視化するのも効果的。
マスターした家事ややった家事を書き出したりチェックしたりすると、モチベーションに繋がるでしょう。
ポイント2:“関係性”を利用する
関係性とは周囲の人との関係に関する欲求のことです。つまりすこしずつ他者を巻き込むようにしていくと、自分だけでがんばるよりもがんばりやすくなるよということ。
家事シェアにおいては、たとえばお子さんなどを巻き込むと効果的です。
「娘が卵焼きつくりたいって言ってるから、一緒につくってくれない?」「息子にお風呂掃除教えてあげてくれない?」など教える機会をつくることで、有能さも感じられるようになるのでおすすめです。
ポイント3:“自律性”を育む
これが本当に大切。自律性とは言ってみれば選択の自由のことです。つまり自分のことは自分で決めたいという欲求が人にはあるということ。この選択の自由を奪われると人はやる気を失っていくのです。
なので、パパに食器洗いをお願いしたら「洗うタイミング、洗い方」などには細かく口出しをしないこと。自分の責任でやることが大切なのです。
完全にまかせちゃうといつまでもやってくれない、という場合は”締め切り”を決めましょう。「食べ終わったらすぐに洗って」ではなくて「お風呂までには洗い終わるようにしよう」とした方が、洗い物をするタイミングに選択の自由が生まれます。
まとめ
ステップ1からステップ2へ。
段々と家事をすることが自分ごと化されてきたら、いちいち褒めたりしなくても自発的にやるようになっていきます。
最終的にステップ3を目指すのなら、夫婦でいっしょに雑貨を買いに行ったり、インテリアを見たりと生活を楽しくするためのアクションをするようにしてみてください。
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