期待に応え続けることがつらい人〜心に「のしかかっているもの」を具体化する
①「期待に応えられなかったら?」を想像する
あなたがもし誰かの期待に応えようとする癖があるなら、一度立ち止まって次の質問に答えてみてください。
(1)もし、△△さんの期待に応えられなかったらどうなると思うか? どうなることを怖れているか?
(2)その怖れは本当に起きることなのか? 自分の勝手な想像ではないか?
(3)なぜ本当に起きると思ったのか? 過去に似た体験をしたのか?
(4)過去の体験は具体的にどのようなことか? 自分は何を感じていたのか?
これらの質問にできるだけ丁寧に時間をかけて取り組んでみると、思い込みに気付けたり、過去の傷が癒せたりします。
(1)であえて「△△さん」などと具体的に名前を書いている点にご注目ください。ここには「会社」「上司」「彼氏」「親」などを入れてみましょう。
思い当たる人が複数の場合、実は(3)が共通していることに気付いたり、より深く自分の心を見つめることができるようになります。
②親が自分にかけた「期待」を理解する
期待に応えてしまう背景の多くに、親の存在があります。
例えば、学歴コンプレックスの強い親を持つ人は、その理由を考えてみると、親の人生について考え直したり、親が抱えていた怖れや不安などに気付けたりと、さまざまなことが見えてきます。
そして「親は親で苦しんでいたんだな。それで私たちにそんな期待をかけてきたんだ」と理解できると、不思議なことに誰かの期待に応えようとする気持ちが少しずつ減っていくのです。
同様に、親だけでなく、ほかの親族や学校・塾の先生、クラブの顧問、そして同級生たちなど、あなたに期待をかけてきた人たちの「その理由」を理解すると、期待を手放すことは容易になっていくものです。
その上で「私は△△の期待には応えません!」と心の中で宣言してみてください。
それだけでスーッと肩の荷が下りて軽くなるでしょう。
③自分軸を確立する
「期待に応えようとする」とは、じつは「他人軸」な姿勢を表します。
誰かからの期待には「応えなければいけない」と強く思い込み、期待に応え続けている人は、無意識のうちに自分の気持ちよりも、相手の気持ちを優先させてしまうようになります。つまり、物事を考える軸が他人になっている「他人軸」なのです。
だから、考え方を「他人軸」から「自分軸」に移行させることで、周りの期待に応えるかどうかを自らが選択できるようになります。
「期待に応えてもいいし、応えなくてもいい」
心の中に、そうした選択肢を持てるだけで、するっと心の「メイク」が剥がれるのです。
「自分軸」を確立する方法は様々ありますが、ここでは最もシンプルかつ象徴的なアファメーションを紹介します。
「私は私、人は人」
※「人」の部分には、具体的な名前を入れてみてください
この言葉を、自分と相手との間に線引きをするつもりで、1日に何度も何度も口に出して言ってみます。
これだけでも非常に効果的ですので、ぜひ試してみてください。
なお、この自分軸を確立する方法については、『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)に詳しく書いています。
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